2024.05.10

元請会社向け

協力会社向け

現場登録・運用のコツ

はじめての建設キャリアアップシステム(CCUS)の現場登録と運用

建設キャリアアップシステムホームページ 出典

建設キャリアアップシステム普及に伴い経審や入札制度の加点や公共工事での活用工事が増加しましたが、まだ建設キャリアアップシステムに触れた事が無く、誰が?何を?すれば良いかわからず不安を感じている方も多いと思います。そんな方のために今回は、これから建設キャリアアップシステムの現場登録と運用を行う方向けに手順や注意点についてわかりやすく解説していきます。

◇このコラムを読んでもらいたい方

・建設キャリアップシステムの現場運用を開始する元請会社

・建設キャリアップシステムの現場運用を開始する下請会社

◇このコラムでわかる事

・建設キャリアアップシステム現場運用の流れと現場運用の方法

建設キャリアアップシステムの現場運用をはじめるにあたり事前に6つ確認が必要になりますので順番に見ていきます。

 

※建設キャリアップシステムでは協力会社を下請会社と定義付けしているめ、以降、当コラムでは下請会社と表記を行います。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録・運用の対象者

建設キャリアアップシステムの現場登録・運用を開始する前に、建設キャリアアップシステムに関する予備知識をあらためて覚えて頂ければと思います。建設キャリアアップシステムは技能者、いわゆる建設職人の賃金と待遇を改善するシステムです。そのため対象はあくまで技能者(建設職人)になります。技術者=現場監督は登録対象外となるため、サブコンは建設キャリアアップシステムの事業者登録のみ必要で技術者の技能者登録は不要となります。また資機材の納品を行う運転手さんや警備員さん等々、直接建設工事に関わらない方の事業者登録、技能者登録も不要です。さらに建設キャリアアップシステム活用モデル工事 実施要領では、工事現場入場期間が2週間以内の技能者(建設職人)は集計対象外としているため現段階では、建設キャリアップシステムの登録・利用対象外と考えてもイイかもしれません。上記で説明をさせていただいた通り建設キャリアアップシステムの主な目的が技能者(建設職人)賃金と待遇改善であるため、元請会社1社で利用するだけでは目的が達成は難しく、現場に入場する下請会社と協力をして登録・運用をして頂く必要のあるシステムとなっています。

建設キャリアアップシステムへの登録状況の把握

建設キャリアアップシステムの現場運用を行うには事前に建設キャリアアップシステムへ事業者(会社)情報と管理者(技術者)情報、技能者(職人)情報の登録が必要不可欠です。そのため建設キャリアアップシステム現場登録・運用前に自社と下請会社の登録状況の把握が必要です。現場の登録・運用を行うには最低でも元請会社である自社と主要な工事に関わり、頻繁に依頼を行う下請会社の登録が行われている事が必要です。関係があるすべての下請会社へ個々に建設キャリアアップシステム登録を促進するのは手間がかかるため、元請会社の安全協力会や安全大会等を有効活用して頂ければと思います。また立場別に建設キャリアアップシステム登録の登録区分が異なるため一覧表を下記に表示致します。

 

立場別の建設キャリアアップシステム登録区分

階層情報を建設キャリアアップシステムへ登録 【大中規模会社】

自社の管理体制に応じて部門や支店、営業所ごとに最大3階層まで任意で管理階層登録を行う事が可能です。※建設業許可取得事業者の場合、国土交通省のデータベースを利用することで、階層登録が容易に行えるようになります。階層登録には社内の管理体制ごとに、階層ID、階層名称、階層カナ名を登録し階層の情報と登録します。※登録は任意になるため本社で一元管理する場合、階層登録は不要になります。

現場管理者情報を建設キャリアアップシステムへ登録 【元請会社】

建設キャリアアップシステム(CCUS)では階層や業務内容に応じて4つ役割、5つの権限に分けて管理者と担当者の設定が可能です。自社の管理体制に応じて管理者・担当者設定を行って下さい。役割と権限は下記に記載の『立場ごとの権限一覧』を確認ください。※元請会社の現場監督(代理人や代理人補佐)は現場管理者登録を行わないと現場の運用管理が行えなくなるので必須で登録が必要です。ご注意ください。

 

管理者・担当者権限一覧

建設キャリアアップシステム現場運用マニュアル 第1章 出典

管理者・担当者のID追加に応じて費用が発生する場合があります。下記の『管理者・担当者の追加による費用負担一覧』を確認ください。

 

管理者・担当者の追加による費用負担一覧

現場担当者IDはIDの発行制限なく無料であるため、現場監督(代理人や代理人補佐)の方は全員登録をしておくことをおススメ致します。管理者・担当者の設定を行うと、管理者・担当者のメールアドレス宛にログインIDと初回ログインパスワードが学校されます。ログイン情報を用いて建設キャリアアップシステム(CCUS)にログインを行います。ログイン後初回ログインパスワードの変更を求められますのでパスワードの変更手続きを行います。ログインIDとログインパスワードを失念してしまう方が多いので会社側でしっかり管理を行う必要があります。

CCUSカードリーダー等の就業履歴記録・蓄積設備の選定 【元請会社】

現場で就業履歴を記録・蓄積するためには就業履歴蓄積設備の準備が必要です。就業履歴蓄積設備は建設キャリアアップシステムが標準提供はもちろんCCUS認定連携サービスが提供しているものがあり使用用途に応じて多種多様の蓄積設備が準備されています。現場開始までに自社にあったものを選定しておく必要がありますので就業履歴蓄積設備の概要情報をご共有させて頂きます。

 

▷建設キャリアアップシステムが標準提供しているCCUSカードリーダー

最初の導入時におススメなのが、建設キャリアアップシステムが標準提供しているカードリーダーです。カードリーダーは一部を除き買い切りであるためランニングコストも低く抑える事が出来ます。以下に建設キャリアアップシステムが標準提供していうるカードリーダーの特徴を一覧にまとめました。

 

カードリーダーの特徴一覧

*1 ロギング機能とは、カードリーダーに就業履歴を一時蓄積する機能

*2 初期費用は目安金額の提示になります。ご注意ください。

*3 バッテリー搭載

*4 乾電池による稼働可能

*5 iPhoneの提供事業者との契約形態等に応じて異なるため通信キャリアにご確認ください。

CCUS・標準API認定連携システム

建設キャリアアップシステムでは、CCUSが連携を認定したITシステムに限りデータ連携を行い、連携しているシステムからも就業履歴の蓄積を行う事が可能です。2024年3月現在16のシステムが認定を受けデータ連携を行っています。連携しているITサービスは建設現場で課題解決を行うため施工管理等の利便性を向上させるサービスも提供しています。別途で利用コストと運用コスト負担が生じますがCCUS認定連携システムを利用することでCCUSと施工管理業務の効率化を行う事が可能です。自社の課題感や社内のIT化に合わせて、サービスの選定、導入を検討して頂くも良いかと思います。注意事項として、現段階でCCUSの導入未実施、業務効率化のITシステムが未導入の場合、2つのITシステムを同時導入する事になるので、現場の意見を聞きつつ計画的な導入をおススメ致します。

 

CCUS認定連携システム(2024年3月現在)

またより標準API認定システムの詳しい情報をお求めのかたは下記のリンクより情報のご確認が行えます。標準API認定システム一覧はこちら

建設キャリアップシステム(CCUS)活用推奨モデル工事は受注前に内容確認 【元請会社】

少し、現場登録と運用から話がズレますが、2024年度より公共工事では、建設キャリアアップシステム活用推奨モデル工事が増加しております。モデル工事では、「発注者指定型」と「受注者希望」の2方式が準備されています。現在は、「受注者希望」が主になっていますが、稀に「発注者指定型」も含まれておりますので注意が必要です。建設キャリアアップシステム活用推奨モデル工事の場合は入札前に発注者が定める達成基準やを履行できない場合減点評価等の確認をしたうえで応札を行いましょう。

 

ここまでで建設キャリアアップシステムの現場運用、事前準備は完了となります。

建設キャリアアップシステム登録後の現場運用の流れ 【元請会社・下請会社】

予備知識を手に入れ、事前準備が行えたところで、建設キャリアアップシステム登録後の現場運用の流れを見ていきます。

現場運用の流れ下記記載の手順で行います。

上記の流れに沿って、現場登録・運用の詳細内容と注意事項を見ていきます。

建設キャリアアップシステムへの現場・契約情報の登録 【元請会社】

建設キャリアアップシステム(CCUS)の現場利用を行うには元請会社が現場・契約情報の登録を行い、現場IDを取得する必要があります。現場・契約情報は、現場情報(12項目)、契約情報(16項目)、工事情報(8項目)の3つから構成されており、現場IDの発行を行うには現場情報の登録が必須であり、発注者の要望や自社の管理体制に応じて任意で契約情報と工事情報の登録を行います。しかし公共工事の発注者がもとめられる情報の多くが契約情報と工事情報に含まれていることから公共工事では、契約情報と工事情報の登録も必須で求められることが予測されます。状況に応じて登録範囲を決定して頂ければと思います。以下に現場情報、契約情報、工事情報の登録内容の一覧を示します。

 

現場情報、契約情報、工事情報の登録内容の一覧

現場・契約情報は登録項目が非常に多いため、小規模工事や短工期の工事で個別に情報登録を行うのは非常に酷だと思います。そのため小規模で且つ工期の短い「住宅工事」や「リフォーム工事」 など 「一つの支店 や事業所業所」では1年分をまとめて登録することも可能です。契約・工事情報等の個別の情報登録は困難ですが、現場情報や施工体制・作業員登録を個別現場で行う必要がなくなるため建設キャリアアップシステム(CCUS)の現場運用の効率化が行えるのでおススメ致します。

CCUS現場登録時の注意点① CCUS標準API認定システム 【元請会社】

現場・契約情報に「標準APIの利用」の項目があります。建設キャリアアップシステム(CCUS)とデータ連携を行っている民間企業が提供している標準API認定システム(建レコ除く)を利用しCCUSの現場情報、施工体制・技能者(作業員)登録、就業履歴の記録・蓄積を可能にする場合に設定が必要になります。標準API認定システム利用することでCCUSの利用はもちろん現場施工管理の効率化も可能です。

※標準APIの利用チェック後は、対象現場の施工体制登録は標準API認定システム内で対応を行い、建設キャリアアップシステム(CCUS)の画面からは登録することが出来なくなりますので、ご注意ください。

※作業員登録はチェックの有無にかかわらず、CCUSの画面から入力可能です。

※標準API認定システムに関する情報は前項の『CCUSカードリーダー等の就業履歴記録・蓄積設備の選定~CCUS・標準API認定連携システム』にてご確認ください。またより標準API認定システムの詳しい情報をお求めのかたは下記のリンクより情報のご確認が行えます。

標準API認定システム一覧はこちら

CCUS現場登録時の注意点② 発注者支援機能 【元請会社】

発注者支援機能は発注者専用のログインIDとログインパスワードの共有を行うことで対象現場の建設キャリアアップシステム(CCUS)活用実績計測日の設定や元請会社が指定した範囲の現場の情報閲覧、各帳票のダウンロードが行えます。

 

▷CCUS発注支援機能で共有可能な情報

発注者支援機能で共有できる情報は以下の2つに項目になります。

・発注者にCCUSの利用状況等の情報を提供する

・発注者に週休2日達成状況等の情報を提供する

上記に伴い情報の閲覧範囲も『自現場のみ』、『自現場+他現場』の2つから元請会社にて選択が可能です。

 

▷CCUS発注者支援機能ダウンロード可能な帳票

発注者支援機能を利用し発注者は14つの帳票をダウンロードする事が可能です。

▷CCUS発注者支援機能利用時の発注者の設定・対応業務

発注者支援機能を利用するには発注者にて2つの対応が必要です。

1、計測日の設定

計測周期に合わせてすべての計測日をします。※最大1か月に1回の設定が可能です。

2、現場入場事業者・技能者数の集計と入力

元請会社から建設キャリアップシステム(CCUS)登録可否を問わず対象期間中に現場に入場した技能者、事業者数の情報を受領しダウンロードした帳票に入力し帳票を完成させる必要があります。

※注意事項

発注者が帳票を完成させるには、元請会社から対象現場に入場したすべての技能者数・事業者数、技能者の出面とCCUS登録技能者数・CCUS登録事業者数・CCUS就業履歴蓄積数の情報供給が必要になります。結果的に元請会社にて数値の計測も必要である事から元請会社で作成した方が早いと受け取られ帳票の作成を発注者から依頼をされることになると予測されます。

下請会社のCCUSへの施工体制登録 【元請会社・下請会社】

現場で技能者が建設キャリアアップカードを利用し就業履歴の記録・蓄積を行うためには現場IDが発行された現場に入場を行う前に建設キャリアアップシステム上で施工体制と技能者(作業員)の登録を行う必要があります。施工体制と技能者(作業員)登録が行われていない場合、現場でカードリーダー等に建設キャリアアップカードをタッチしても就業履歴の記録・蓄積が行われないので現場入場前に必ず施工体制と作業員登録を行って下さい。

 

▷施工体制登録の要請と承認手順

施工体制登録は元請会社から下請会社に施工体制の登録を依頼する必要があります。施工体制は下記の手順で登録・整備を行います。

①元請会社 から 一次協力会社 へ 施工体制登録『要請』を送信

②一次協力会社 が 施工体制登録を『承認』

 

★一次協力会社が再下請けを利用する場合は③と④を行う。

 

③一次協力会社 から 二次協力会社 へ 施工体制登録『要請』を送信

④二次協力会社 が 施工体制登録を『承認』

 

★二次以下の協力会社が再下請けを利用する場合は③と④を繰り返す。

 

※施工体制登録は上位会社から下位会社に要請を行う流れになるので下位会社から上位会社に向け要請を行う事は出来ません。

 

▷CCUS未登録者の施工体制登録

建設キャリアアップシステムの利用はあくまでも『事業者・個人』に任意で利用を行って頂くシステムであり、施工体制は前項でご説明した通り上位会社から下位会社に向け要請を行うため上位会社がCCUS未登録の場合、施工体制登録は行えないのか?とご心配される事業者さまも多いですが、上位会社がCCUS未登録の場合でも施工体制登録を行う事が可能です。その手順を下記に記載致します。

条件

元請会社(CCUS登録済)

一次協力会社(CCUS未登録)

二次協力会社(CCUS登録済)

登録手順

①元請会社 が一次協力会社(CCUS未登録) の 未登録者の施工体制登録

②元請会社 から 二次協力会社 へ 施工体制登録『要請』を送信

③二次協力会社 が 施工体制登録を『承認』

CCUSへの技能者登録 【下請会社】

施工体制の登録後、現場に入場する予定の技能者(作業員)・職位登録を行います。技能者登録では現場に入場予定の技能者ごとに、8つの情報(対象の現場で従事する職種、作業内容、立場、経験年数、受入教育実施年月日、有害物質の取り扱い、健康診断、保有資格)登録が必要になります。

 

▷職種と作業内容、立場の登録

技能者(作業員)登録時に設定した職種(*1)、作業内容、立場(*2)を反映した就業履歴が記録・蓄積が行われます。特に注意が必要なのが立場の登録です。立場の登録がない場合、普通作業員として就業履歴が記録・蓄積されてしまうので職長等の立場の従事する技能者の方は忘れずに立場の登録を行いましょう。技能レベルを向上させるための能力評価で職長経験は評価指標の一つとなっております。

*1 職種は建設キャリアアップシステムの技能者登録を行ったさいの職種よりプルダウンで選択が可能です。

*2 立場は職長、班長、安全衛生責任者、監理技術者、主任技術者等17項目より選択が可能です。

建設キャリアアップシステム・施工体制・技能者(作業員)登録の便利機能 【元請会社・下請会社】

新規現場に入場を行う際の施工体制・技能者(作業員)登録はほぼ毎現場同様の内容を登録する事から単調な作業であるため非常に時間が割かれる煩わしい作業です。現場毎の面倒な施工体制や技能者(作業員)登録を省略するため便利機能が3つ準備されています。機能の有効活用をして頂き運用の省力化を行って頂ければと思います。

 

▷事業者間合意形成(代理手続き)

施工体制登録の便利機能として『事業者間合意』があります。こちらを上位・下位会社間で事業者間合意を形成しておくことで、現場毎に必要な施工体制の登録『要請』と『承認』の作業を省略する事が可能です。ITシステムが苦手な方や同じ事業者との仕事が多い方におススメの機能です。

 

▷作業員名簿パターン登録

あらかじめ上位と下位も3 社以上(一次~三次)の複数社間で施工体制パターンの登録が行えます。施工体制パターンを登録しておくことで、現場毎の施工体制登録の『要請』、『承認』作業の省略が可能です。

 

▷技能者パターン登録

あらかじめ現場に入場する予定の作業員名簿パターン登録が行えます。作業員名簿パターンを登録しておくことで、現場毎の技能者の作業の省略が可能です。※職種、作業内容、立場の設定は現場毎で必要です。

CCUSホームページから「建レコ」アプリのインストール 【元請会社】

「建レコ」は建設キャリアアップシステム(CCUS)が無料で標準提供しているアプリです。現場でCCUSの就業履歴を記録・蓄積するにはPCまたはiPad、iPhoneに建設キャリアアップシステム就業履歴アプリ「建レコ」を建設キャリアアップシステムのホームページよりインストールする必要があります。アプリをインストール後建設キャリアアップカードの読取りが可能な専用のカードリーダー(*1)と接続して利用を行うことがCCUSの就業履歴の記録・蓄積が可能です。*1 専用のカードリーダーは別途元請会社負担にて購入が必要です。

建レコアプリダウンロードURLはこちら

CCUS就業履歴アプリ・建レダウンロード画面 出典

建レコへのログインと初期設定 【元請会社】

建レコをインストール後、自社に運用に合わせてアプリの初期設定を行う必要があります。初期設定を行うため建レコを起動し建設キャリアアップシステムのログイン情報(*1)を利用して建レコアプリにログインを行います。ログイン後下記の設定を行って下さい。

*1 ログイン情報|登録責任者または階層管理者、現場管理者のログインIDとログインパスワード

1、パスコードの設定

ログイン時にログインIDとパスワードを毎回入力するのは手間がかかるため『各種操作』の『パスコード設定』より4桁のログインパスコード設定を行います。設定が完了すると次回ログイン時からPINコード(4桁数字)入力でログインが可能になります。パスコードの設定はPCまたはiPhone、iPadも同様の方法で設定が可能です。

2、就業履歴登録の設定

建設キャリアアップシステム上に登録が行われている現場情報が建レコアプリにも連携が行われ、管理現場一覧のすべて表示が行われます。対象の現場を選択し就業履歴登録から『日付境界時刻』と『入退場を記録する』の設定を行います。

設定の例

・日付境界時刻   |日中工事 00:00 、 夜間工事 12:00

・入退場を記録する |ON(入場・退場を記録)、OFF(入場、退場の区分なく1日/1回のみ)

CCUS就業履歴アプリ・建レコログイン画面

CCUSカードリーダー等の設置 【元請会社】

建レコのアプリインストール・初期設定完了後、現場で就業履歴の記録・蓄積を行うための自社で選択した就業履歴記録・蓄積設備を現場に設置していきます。※インターネット環境が必要な就業履歴蓄積設備を選択した場合は別途Wi-Fi等の準備を忘れない様にしましょう。

 

▷カードリーダーの設置場所

技能者の方々に忘れ・負担なく、出来るだけ滑らかに就業履歴の蓄積をしてもらうためにはカードリーダーの設置場所や設置場所の明示の工夫等非常に重要になります。技能者の方が必ず立ち寄る場所や通る場所に設置する事をおススメしております。

例)詰所の出入り口、朝礼会場、現場入場口、自動販売機近辺、仮設トイレ近辺、etc

建設キャリアアップシステムサテライト説明会-運用編- 出典

▷カードリーダーの設置場所明示と盗難防止対策

現場事務所や朝礼会場にカードリーダーを設置しただけでは、目立たず設置してあることに気づいてもらえない可能性が高いです。そのため技能者へ向けて建設キャリアアップシステムのカードリーダーが設置してあることを積極的に明示しましょう。また稀にカードリーダー等の盗難事故も起きる事から必要に応じて盗難防止対策行って頂ければと思います。

建設キャリアアップシステム現場運用マニュアル 第6章 ポスターB 出典

建設キャリアアップカード等による就業履歴の記録・蓄積 【元請会社・下請会社】

ようやく就業履歴を蓄積する環境整備が整いましたので技能者を現場に向かい入れ就業履歴の記録・蓄積を行っていきましょう。

 

▷カードリーダーで就業履歴を蓄積する場合

就業履歴登録の設定完了後、就業履歴登録開始前にPCまたはiPhone、iPadにカードリーダーの接続を行った後に、就業履歴登録を開始する事が可能です。

※就業履歴登録開始後、カードリーダーの接続ランプを確認接続が正常である事を忘れずに確認して下さい。

 

▷iPhoneで就業履歴を蓄積する場合

就業履歴登録の設定完了後、就業履歴登録開始を行うと、カード読取に使用する機器選択を要求されるのでiPhoneを選択し、就業履歴登録を開始する事が可能です。

 

▷就業履歴蓄積のタイミング

技能者は現場で建設キャリアアップシステムの就業履歴をつける習慣が出来ていないため、技能者任せにすると就業履歴の蓄積は思うようには行われません。そのため就業履歴を記録するタイミングを定め、元請会社から適宜、声掛けを行う必要があります。

例) 入場 朝礼終業後 、 退場 RKY提出時

 

▷CCUS就業履歴の記録・蓄積

現場に設置されたカードリーダーに技能者の建設キャリアアップカードをかざし就業履歴の蓄積を行って頂きます。カードリーダーに就業履歴受付時に技能者の情報が表示される場合は就業履歴の蓄積が行われています。技能者の情報が表示されない場合は施工体制・技能者登録が行えていない事を表しているため、施工体制・技能者登録が行われているか確認が必要です。

※技能者の情報が表示されない場合、音はなりますが就業履歴は蓄積されていません。ご注意ください。

就業履歴登録アプリケーション「建レコ」操作手順書 出典

就業履歴登録アプリケーション「建レコ」操作手順書 出典

▷元請会社よるCCUS就業履歴の記録・蓄積管理

元請会社の現場管理者は毎日、現場に入場した技能者とCCUSの蓄積された就業履歴の照合や承認を行わなくても自動的に建設キャリアアップシステムへのデータ送信手続きが行われます。そのため日々管理を進めるうえで、発注者が定めている就業履歴蓄積率を満足しているのか?意識的に協力業者、技能者の指導監督を行わないと発注者の定める規定数値を満足する事が困難となるため注意して管理を行って頂ければと思います。

直接入力による就業履歴の蓄積 【下請会社】

建設キャリアアップカードの持参やCCUSカードリーダーへのタッチ忘れで就業履歴が記録・蓄積出来ない場合もあると思います。そんな時は、建設キャリアアップシステム上から就業履歴の直接入力による申請手続きが行えます。必要に応じて直接入力機能も活用して頂ければと思います。

※直接入力による就業履歴の記録・蓄積には元請会社の承認が必要です。

※直接入力による就業履歴蓄積の申請可能期間は、履歴の対象の日から1か月後まで申請が可能です。

記録・蓄積されないCCUS就業履歴 【元請会社・下請会社】

建設キャリアアップシステムの現場運用が徐々に進んでいますが、現場入場前の施工体制・技能者(作業員)登録が行われていない事により技能者が現場でカードタッチをしたが就業履歴が記録・蓄積されないという事例が急増しております。建設キャリアアップシステムは継続的に就業履歴の記録・蓄積をしてはじめてメリットを受ける事が可能となるため、元請、下請け事業者の方はしっかり現場ごとに施工体制・作業員登録を行って頂きたいと思います。

CCUS登録技能者の就業履歴確認 【下請会社】

上位会社や所属事業者の対応により施工体制・技能者登録が行われておらず就業履歴が蓄積出来ていない可能性もあるので技能者の方は定期的に建設キャリアアップシステムへログインを行い、TOP画面より自身が現場で蓄積した就業履歴が確実の溜まっている事を確認しましょう。就業日数や就業履歴数が増加していない場合はCCUSの就業履歴が記録・蓄積が行えておりませんので、自身が入場している現場の施工体制と技能者(作業員)登録状況を上位会社または所属会社へ確認を行いましょう。

 

CCUS登録技能者の就業履歴確認画面(赤枠内の数値をチェック)

現場運用時の建設キャリアアップシステム利用料金 【元請会社】

建設キャリアアップシステムの現場運用を行うには元請会社は2つの料金の負担が必要です。

 

▷現場利用料

建設キャリアアップシステムにおいて『元請事業者』が、現場・契約情報を登録し、対象の現場で技能者の就業履歴情報を『登録した回数』に応じて利用料金のお支払いする必要があります。

現場利用料

▷就業履歴蓄積設備の整備

カードリーダーの就業履歴蓄積設備の購入やリース、標準API認定システムに費用に関しては前項の『CCUSカードリーダー等の就業履歴記録・蓄積設備の選定~CCUS・標準API認定連携システム』にてご確認ください。またより標準API認定システムの詳しい情報をお求めのかたは下記のリンクより情報のご確認が行えます。

標準API認定システム一覧はこちら

建設キャリアアップシステム活用実績報告書の作成 【元請会社】

発注者の要望や指定のある計測周期ごとにCCUS活用実績報告書が必要になります。『発注者支援機能』よりCCUS活用実績報告書は発注者が作成を行う事になっておりますが、前条で説明した通り元請会社から対象現場に入場したすべての技能者数・事業者数、技能者の出面とCCUS登録技能者数・CCUS登録事業者数・CCUS就業履歴蓄積数の情報供給が必要になります。結果的に元請会社にて数値の計測も必要である事から元請会社で作成した方が早いと受け取られ帳票の作成を発注者から依頼をされることになると予測されます。

CCUS認定連携システムによる業務の効率化 【元請会社】

2024.3.8現在、13社の建設キャリアアップシステム(CCUS)の認定連携システムがあります。前項の『CCUSカードリーダー等の就業履歴記録・蓄積設備の選定~CCUS・標準API認定連携システム』にて概要をお伝えしましたが各ベンダーにより当然サービス提供内容が異なり解決出来る課題も異なりますので、各ベンダーのサービス内容を理解した上で建設事業者さまの課題感に合わせて導入をして頂ければ、業務の大幅な効率化に繋げることが可能だと思います。

CCUSカードリーダーのモニター募集キャンペーン 【元請会社】

建設キャリアアップシステムのより一層の普及促進に向けて、CCUSカードリーダーの無償で貸与し、実際に現場で利用していただくモニターを募集しています。募集数はCCUSの現場・契約情報を登録した元請会社2,000社(Windowsx700台、iOSx1,300台)となっております。現場工期満了後、建設キャリアアップシステムからの簡単なアンケートに協力が必要だが、モニター期間終了後、貸与されていたCCUSカードリーダーは元請会社へプレゼントされます。元請会社はアンケート協力だけでCCUSカードリーダーが無料で取得できるので、CCUSの導入を検討している元請会社や既にCCUS導入済みの元請会社の方は有効活用して頂ければと思います。

応募申込フォームはこちら

建設キャリアアップシステム CCUSカードリーダーのモニター募集を延長します。~新規登録した元請事業者にカードリーダーを無償貸与 出典

CCUS助成金活用サポート 【元請会社】

建設キャリアアップシステムの現場運用(就業履歴の記録・蓄積)を促進するための助成金が厚労省より提供が行われています。最大3,000万円(対象経費の1/2~2/3助成)を上限にカードリーダー等の就業履歴記録・蓄積設備の購入・リースや、建設キャリアアップシステムの未登録者の登録料や代行費用の助成を行っています。ここでは助成金制度の説明を行いませんがCCUS助成金に関する詳細情報、活用のポイント等を知りたい方は下記のリンクより、弊社のコラムをご確認頂ければと思います。

厚労省の建設キャリアアップシステム登録等普及促進助成金の有効利用のコラムはこちら

建設事業者団体のCCUS助成金活用をサポートします。~CCUS助成金活用相談窓口の開設~ 出典

建設キャリアアップシステム(CCUS)~現場運用サポートキャンペーン 【元請会社】

2024年度より建設キャリアアップシステムのより一層の普及を目指し公共工事のCCUSモデル工事受注の元請会社またはCCUS登録事業者のうち現場登録・就業履歴の蓄積実績のない元請会社限定でCCUS認定アドバイザーによる現場運用サポートを無料で開始しました。サポートはCCUS説明会開催、CCUS登録申請状況の確認とフォロー、カードリーダーの無料貸与、現場活用サポート、発注者への評定実施方法アドバイスなどを実施しております。全国で約200社、先着順に行っておりますのでCCUSの導入をこれから行う元請会社さまはお早めにサポートの申込を行うことで手厚いサポートを受ける事が可能です。CCUSモデル工事サポートをご希望の方は下記記載のアドレスへ必要な情報をご共有下さい。

CCUSモデル工事サポート窓口

連絡先       | ccus01@kensetsu-kikin.or.jp

ご担当者情報    | 氏名、所属会社名、ご連絡先

対象工事の概要   | 発注者、工事名、工期等

ミーティングツール | Zoom、Teams、Meet

サポート希望時期  | 申込者さまの希望時期

CCUSモデル工事サポート CCUSモデル工事推進ロードマップ 出典

CCUSカードリーダー未設置現場へのアプローチ 【下請会社】

建設キャリアアップシステムは元請会社が現場での利用料金を負担する事から、元請会社が現場でのCCUS活用の可否を判断しております。そのため、元請会社によっては「現場にCCUSカードリーダーがない」等の状況が発生する場合があります。技能者(建設職人)さんのためのシスムテなのに、元請会社の都合で建設キャリアアップシステムの就業履歴の記録・蓄積が行えないのは憤りを覚えますよね。そこで建設キャリアアップシステムでは「CCUSカードリーダー未設置現場向け専用窓口」を設け、CCUS未活用の元請会社情報を収集し建設キャリアアップシステムが直接アプローチを行いCCUSの活用、カードリーダーの設置を推進致します。「現場にCCUSカードリーダーがない」現場に携わったら、是非建設キャリアアップシステムへ情報のご共有を頂きたいと思います。

CCUSカードリーダー未設置現場向け専用窓口 情報

連絡先 | info-ccus@kensetsu-kikin.or.jp

必要情報(①・③・④は必須)

①元請会社名

②元請会社の建設業許可番号

③工事現場名

④元請会社の現場担当者メールアドレス(可能であれば電話番号も)

⑤ご連絡者さまの情報(氏名、所属会社名、ご連絡先)※匿名希望の場合はご共有不要

⑥その他

建設キャリアアップシステムホームページ CCUSカードリーダー未設置現場向け専用窓口 出典

建設キャリアアップシステム(CCUS)現場運用時の課題 【元請会社・協力会社】

建設キャリアアップシステムの現場運用には大きく3つの課題があります。1つずつ見ていきます。

1、現場利用料金の負担

建設キャリアアップシステムの現場利用料金の負担は元請会社が行うため、元請会社がメリットを感じない場合、建設キャリアアップシステムの導入と運用を行いません。そのため現場にCCUSカードリーダーの設置がないという現場が生じます。元請会社が建設キャリアアップシステム利用時のメリットを正確に理解をしてい屋だくのと共に、今後も継続的な元請会社へのインセンティブや元請にメリットが生じる有効的な活用事例に関する情報を広く共有していく必要があります。

2、建設キャリアアップシステムの登録・利用者数

建設キャリアアップシステムは本格運用が開始し約5年が経過しました。現在のCCUS登録技能者数が約150万人、技能者(建設職人)の2人に1人が登録し利用を行っている状況です。登録数を見ると多いですが、まだ半数の方が登録・利用を行っていません。CCUSの目的である技能者の賃金・待遇の改善を実現するために、すべての技能者が利用する制度インフラにするためにCCUS未登録事業者・CCUS未登録技能者においては情報を取得とシステムの利点を理解して頂いた上でCCUSの登録・利用を行って頂きたいと思います。現段階では先に述べたようにCCUS未登録の事業者や技能者が半数いるため、元請会社でも下請会社への建設キャリアアップシステムの導入に関する普及促進活動が必要になります。

3、プロジェクト管理型のシステム

建設キャリアアップシステムは元請会社1社が運用すれば完結するシステムではなく、協力会社と一緒に運用を行うプロジェクト管理型のシステムであるため企業規模を問わず、現場に入場するすべての会社が導入・運用を求められることから、ITの対応が困難な元請会社や協力会社には大きな負担となります。建設キャリアアップシステムの現場運用を行うためにITシステムの操作スキルを習得して頂くか?代行サービスの利用等を検討して頂く必要があります。

まとめ

まずは長編のコラムを最後まで一読頂きありがとうございました。本日は、まだ建設キャリアアップシステムに触れた事が無い方向けに現場登録・運用の方法について解説をしてきました。建設キャリアアップシステムの現場登録・運用についてご理解いただけたでしょうか?触ったことがない方かたすればまだまだ手触り感がない解説となってしまったかもしれませんが、操作を行いながら当コラムを利用して頂ければ、建設キャリアアップシステムの現場登録・運用が円滑に行えるのではないかと思いますので、現場の登録・運用を行う際に、当コラムを役立てて頂ければ幸いです。また現場運用等に関し、ここについて詳しく解説してほしい等の希望があれば下記フォームよりご希望をお聞かせください。

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建設キャリアアップシステム(CCUS)代行サービス

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