2023.12.01

協力会社向け

建設キャリアアップシステム拡大への新たな障害『協力企業の情報・意識不足』

建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録・技能者登録、能力評価申請(レベル判定)が拡大するなか、東京都鉄筋業協同組合が加盟企業に対する「CCUSアンケート調査」を実施しました。この調査から、1次協力企業と2次以下の協力企業の意識と取り組み度合いに乖離があることが明らかになりました。今回はその調査結果と課題について詳しく見ていきたいと思います。

調査の対象と結果

建設業界のCCUS調査は、関東1都6県の鉄筋工事業8団体で構成する関東鉄筋工事業団体連合会加盟企業の協力企業などを対象に実施されました。調査には団体推薦の192社が回答し、192社全てがCCUS事業者IDを取得しています。しかし、技能者の能力評価に関する申請については半数の企業が未実施であることが明らかになりました。

制度理解の不足

建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価制度は、技能者の適正な賃金・待遇を改善するための重要な仕組みです。国土交通省は今年6月、「建設技能者の能力評価制度に関するガイドライン」を改正し、能力評価申請書の緩和期間を24年3月末まで延長しました。しかし、調査結果では、約6割の回答企業が制度の理解が不十分であることが示されました。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価制度についての説明会開催に対する『希望しない』との拒否回答がなんと9割を超える状況が深刻です。

重要な取り組みの推進

建設技能者の能力評価制度に関するガイドラインの改正は、建設技能者の賃金・待遇を改善するための一定の進展です。しかしこの重要な取り組みを、協力企業が早急にキャッチアップし、制度の内容を理解した上で、技能者の適正な評価を受けるための行動をとることが求められます。

今後の展望と協力企業の意識向上が求められる建設業界

鉄筋工事業界の調査で、1次下請け企業に比べ、2次以下の協力企業がまだまだ意識と取り組みに改善の余地があることが浮かび上がってきました。他の業種でも同じような状況であると考えられます。技能者や専門工事企業の施工能力の可視化は、非常に重要な問題です。建設業界における建設キャリアアップシステムと技能者能力評価制度の普及と理解を進めるためには、元請企業や上位企業からの協力企業に対する意識向上や関連制度の明確な説明・教育が欠かせません。建設業界全体で取り組むべき課題であり、これが解決されることで、建設技能者の待遇や労働環境の改善につながるはずです。そのためにも、建設キャリアアップシステムの普及と技能者の能力評価の重要性をより広く認識してもらう必要があります。

結び

協力企業の皆さんにお願いしたいことは、制度やその重要性についての理解を深め、積極的に参加していただくことです。私たちが期待するのは、より多くの企業がこの課題に積極的に取り組んでくれることです。これにより、より良い建設業界の未来が築かれることを信じています。技能者の処遇改善や業界全体の品質向上に向けての取り組みは、業界発展にとって重要な一歩となるでしょう。

本日は『建設キャリアアップシステム拡大への新たな障害『協力企業の情報・意識不足』』についてお話させて頂きました。最後までご一読頂きありがとうございました。株式会社FIRSTは最新の情報やトピックを中心に、建設事業者さま、建設技能者さまのためのお役立ち情報を定期的にお届けしています。建設キャリアアップシステムの導入・運用についてのお悩みや課題がある場合は、電話またはLINE、問合せフォームからご相談ください。

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