2024.05.25

協力会社向け

建設産業専門団体連合会の建設キャリアアップシステム登録状況

専門工事業者の団体が正会員として34団体加盟する建設産業専門団体連合会が会員団体の所属企業を対象に調査したところ建設キャリアアップシステムの登録状況等について調査を行った。専門工事会社(協力会社)視点で見た建設キャリアアップシステムの動向についてみていきたいと思います。

◇このコラムを読んでもらいたい方

・専門工事事業者

・建設技能者

◇このコラムでわかる事

建設キャリアアップシステムに関する建設産業専門団体連合会の登録状況や課題

建設キャリアアップシステムへの事業者・技能者登録率

さて、専門工事会社のトップランナーとして最前線を走る、建設産業専門団体連合会(建専連)会員の建設キャリアップ登録率は事業者登録の完了が92.5%と驚異的、技能者登録は技能労働者全員完了が76.4%とこれも、規模が異なる事業者がいる中でこの登録率は非常に高いと感じました。特に建専連の会長が所属する鉄筋工事業では88.6%と登録はほぼすべての事業者の技能者登録が完了しており、まだまだ業界全体では建設キャリアアップシステム登録が済んでおらず、利用が行える状況でない事業者・技能者が多い中、建専連の会員企業は技能者の賃上げを行うために建設キャリアアップシステムの利用が行える状態が整備されている状態です。この数字を見て、建専連は技能者の賃金・待遇の改善ため建設キャリアアップシステムを利用していこうという強い意思を感じます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)能力評価の実施状況

そんな建専連会員企業の技能者は建設キャリアアップシステムの能力評価をどの程度受けているか?

所属技能者の全員実施完了が46.2%で最多、次に、所属技能者の一部完了が26.2%。現在申請中が2.2%、合計すると74.6%程度の方が能力評価に取組んでいる事がわかるが全員実施完了は約5割と低いように感じる方もいるかもしれません。では、建設キャリアアップシステムの登録者全体で能力評価に取組んでいる方がどれくらいいるかも確認してみましょう。建設キャリアアップシステムは2024年3月現在、約140万人の業者が登録を行っております。その中で、能力評価に取組んでいるのは約10万人たったの7%です。このことから建専連の能力評価の取組率は驚異的数字です。現状、登録する事ばかりに目を奪われ、本来の目的となる核の部分の機能を93%の方が利用していない事が非常に残念でありません。

建設キャリアアップシステムへの登録と能力評価についての課題

建設キャリアアップシステムは何故?登録者数と能力評価数に伸び悩み、技能者の方からネガティブな事ばかりを言われ続けてしますのか?それは、専門工事会社はじめ技能者の方はもちろん、施工管理企業の職員への説明を怠っているためだと思います。また建設キャリアアップシステムの登録や能力評価申請手続きが煩雑であり点も挙げられます。技能者さんは昼夜問わず、現場作業とデスクワークで休みもなく対応しているため登録・申請に時間をとれないという声も多く聞こえます。建設キャリアップシステムの目的は技能者の賃金と待遇を改善し専門工事会社の経営健全化を図ることで次世代の担い手を確保することです。この目的をしっかり共有し、カンタンに登録・利用が行えるシステムにすることで、一日も早く技能者の方が適正な賃金・待遇を改善できる基盤を業界全体として整備していきたいですね。

建設キャリアアップシステム(CCUS)代行サービス

前項で現場作業とデスクワークで休みもなく対応している専門工事業者さまのために株式会社FIRSTでは建設キャリアアップシステムの導入・運用サポートを唯一専門でサポートさせて頂いております。建設業界の労働上限規制により「業務の質」の改善が求められていると思います。社長や技術者や技能者の大切な時間がお金を生まない業務に奪われていませんかは?お金を生み出す業務に集中して頂くために株式会社FIRSTが提供する、「建設キャリアアップシステムの導入・運用サポート」をご検討頂けると幸いです。

株式会社FIRSTの代行サービスについて知りたい方はこちら

https://first-corporation.co.jp/ccus-01/

CCUSカードリーダーの設置率

続いて、建専連の会員である技能者さんが現場に出向いた際のCCUSカードリーダーの設置状況は…。

現場の80%以上で設置されていたが12.0%にとどまった。現場に全く設置されていなかったが20.1%この結果から、多くの現場でCCUSカードリーダーの設置が未整備であり技能者の方が経験値の記録が行えていない事がわかります。CCUSカードリーダーの設置が比較的に多いのは土木工事との事でしたが、土木工事は公共工事がメインであるためCCUSカードリーダーの設置が進んでいるが、公共も含め建築や住宅系の工事ではCCUSカードリーダーの設置が遅れている事がわかります。

 

建設キャリアアップシステム現場運用マニュアル 第6章 ポスターB 出典

CCUSカードリーダーの設置に関する課題

CCUSカードリーダーは元請会社が費用を持ち現場に設置を行うものです。元請会社からすれば専門工事会社の賃金・待遇が改善する=自社の利益率が減少すると捉えます。そのためいくら専門工事会社が切望しても元請会社の理解や建設キャリアアップシステム利用時のメリット・インセンティブが無いとCCUSカードリーダーの設置は行って頂けません。2024年度から国土交通省や都道府県、政令市等の公共工事では元請工事に利用をしてもらうためのモデル工事などの発注が進んでいます。しかし民間の建築・住宅系工事でも日常的に元請会社へ利用をしてもらうには、運営元の建設業振興基金の情報発信はもちろん、元請会社の建設キャリアアップシステム利用時のメリットとインセンティブの強化、建設キャリアアップシステム利用時の成功事例共有等々多数の取組が必要不可欠です。またCCUSカードリーダー未設置現場へCCUSカードリーダーを設置してもうらためのアプローチを次項でご案内いたします。

CCUSカードリーダー未設置現場へのアプローチ 【下請会社】

建設キャリアアップシステムは元請会社が現場での利用料金を負担する事から、元請会社が現場でのCCUS活用の可否を判断しております。そのため、元請会社によっては「現場にCCUSカードリーダーがない」等の状況が発生する場合があります。技能者(建設職人)さんのためのシスムテなのに、元請会社の都合で建設キャリアアップシステムの就業履歴の記録・蓄積が行えないのは憤りを覚えますよね。そこで建設キャリアアップシステムでは「CCUSカードリーダー未設置現場向け専用窓口」を設け、CCUS未活用の元請会社情報を収集し建設キャリアアップシステムが直接アプローチを行いCCUSの活用、カードリーダーの設置を推進致します。「現場にCCUSカードリーダーがない」現場に携わったら、是非建設キャリアアップシステムへ情報のご共有を頂きたいと思います。

CCUSカードリーダー未設置現場向け専用窓口 情報

連絡先 | info-ccus@kensetsu-kikin.or.jp

必要情報(①・③・④は必須)

➀元請会社名

②元請会社の建設業許可番号

③工事現場名

④元請会社の現場担当者メールアドレス(可能であれば電話番号も)

⑤ご連絡者さまの情報(氏名、所属会社名、ご連絡先)※匿名希望の場合はご共有不要

⑥その他

建設キャリアアップシステムホームページ CCUSカードリーダー未設置現場向け専用窓口 出典

まとめ

本日は、技能者の賃金と待遇を改善するために最前線で元請会社と向き合っている建設産業専門団体連合会の建設キャリアアップシステムの登録や能力評価の取組み状況みてきました。元請会社から仕事を受注する立場である事から専門工事業者さんの立場は強いとは言えない状況ですが、数が集まれば話は別です。技能者さんの賃金・待遇を改善するため専門工事会社の皆さんは建設キャリアアップシステムをもっとして頂き、主体医的に利用を行って頂きたいと思います。

  • tel:0487318881
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