2023.05.31

協力会社向け

一人親方でも事業者登録は必要?

建設キャリアアップシステム(以下、CCUSと表記)登録後の現場利用で一人親方に関するトラブルが増加しております。そこで今回は一人親方のCCUSへの登録と注意点について見ていきましょう。

CCUSへの情報登録

まず基本となるCCUSの情報の構成を知る必要があります。CCUSの利用を行うには最初にCCUSへ事業者情報(会社情報)の登録と技能者情報(職人情報)の登録を行う必要があります。登録後、現場で利用を行う場合、事業者の情報は即時利用が可能ですが、技能者の情報は所属している事業者の情報と紐づけ(関連付け)してはじめて利用が可能になります。

そのため原則、事業者情報と技能者情報のセットで利用を行う必要があります。この基本を押さえて上で一人親方の登録方法を詳しく見ていきましょう。

一人親方の登録方法は2つあります。1つずつ見ていきましょう。

1つめは法人、個人事業主同様に事業者と技能者の登録を行う方法です。一人親方なのに事業者登録を行うの?と感じた方が多いと思いますので説明いたします。CCUSでは事業者と技能者の情報をセットで扱うのが原則となりますので、そのためCCUSでも原則一人親方さまも事業主とする会社の立場と技能者とする職人の立場で両方の立場をもっている者ととらえていますので事業者、技能者の双方の登録が求められます。

2つめは上位会社の専属職員として技能者登録のみを行う方法です。専属職員とは?と思う方が多いと思うので説明いたします。専属職員とは上位会社の仕事を100%行っている、一人親方を言います。つまり上位会社の仕事を100%行っているので実質従業員と変わらない状況で業務を行っていることから、一人親方ではあるが従業員扱いが行えるので、事業者登録が不要となると言うことです。専属の一人親方にて登録を行った場合の弊害もあります。

それはゼネコンにもよりますが一人親方でも請負で仕事を契約しているのだから施工体制に登録しなくてはダメだから専属の一人親方を認めないという場合です。(※ゼネコンでも所長によるところもあると思いますが、大手ゼネコンでは多い傾向にあります。)その場合、2つめの登録を行うと、CCUS利用案件では専属一人親方は現場に入場が行えなくなるため、専属の一人親方は改めて事業者登録を行う必要があります。(※事業者ID取得には1.0~1.5ヶ月の期間が必要なので注意

一人親方と個人事業主の違い

前章で法人、個人事業主、一人親方というフレーズがでました。一人親方の場合自身がどの事業形態であるか把握していない方も多いので念のためこの場をかりてご説明をさせて頂きます。(※そんなこと知っているよ!という方は次の章に飛んでください。)事業形態には大きくわけて3つあります。

1つめは法人!
法人とは『法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織』種類としては会社名の前に「株式会社・合同会社・合資会社・合名会社」のつく営利会社です。非営利として「一般社団法人、一般財団法人」等も法人に含まれます。

2つめは個人事業主!
法人を設立せずに個人で「人を雇用して」事業を営んでいる人をさします。人数の上限等はありませんが2~10以下程度が多い様に感じます。
3つめは一人親方!おおきいくくりでは一人親方も個人事業主の一種ではありますが、個人事業主との大きな違いは「人を雇用していない」と言うことです。そのため一人で事業主と職人をしている方を一人親方と定義していますが、昨今では上位会社への依存度が高い一人親方を会社の労働者としてみなすべきだという議論もでています。こちらで大まかな法人、個人事業主、一人親方の理解はできましたか?この章では最後に一人親方にちょっとお得な耳より情報をご紹介します。CCUSでは個人事業主と一人親方では事業者登録料と事業者ID利用料に大きな差があります。

個人事業主の場合、事業者登録料・6,000円、事業者ID利用料・11,400円がかかりますが一人親方の場合、事業者登録料0円、自Y豪社ID利用料・2,400円と一人親方で登録すると15,000円も費用が変わります。一人で業務を行っており、直近で人を雇用する予定のない個人事業主さまは一人親方としてCCUSの登録を行うことをおススメ致します。

認定連携システムでのトラブル

3つめの章ではCCUSと連携しているITシステム利用時のトラブルについてご紹介します。

連携しているITシステム?なにそれ?と思う方もいると思いますが名前を聞けば一度は聞いた事があるかもしれません。例えば「グリーンサイト」安全書類をクラウドで作成するサービスです。他には「ビルディ」調整会議(昼礼)をクラウドで行うサービスです。この2つのサービスは建設業界では非常に有名で大手・中堅のゼネコンを中心によく利用されていると思います。で何が言いたいの?と思いますよね。さてここから本題です。

今ご紹介したようなグリーンサイトやビルディ等はCCUSとデータ連携を行っています。

そのためCCUSで登録した情報とグリーンサイトやビルディ等に登録した情報に食い違いがあるとシステム上でトラブルが発生致します。ではどういうときにトラブルが多いかというと先の章でご紹介した、「一人親方の専属登録」になります。

具体的にいうと、CCUSで専属登録を行ったがグリーンサイトやビルディ等では個人事業主として登録している場合、技能者(職人)の所属事業者データが一致せずエラーが生じ、連携しているグリーンサイトやビルディ等の利用が行えなくなります。そのためグリーンサイトやビルディ等に登録が済んでいる方が後からCCUSへ登録を行う情報がグリーンサイトやビルディ等に登録した情報に食い違いが生じていなかしっかり確認をしたうえで登録を行いましょう。またCCUSとグリーンサイトやビルディ等がデータ連携をしているからとCCUS、グリーンサイトやビルディ等、いずれかの情報を更新したらすべてが更新されるわけはではなく、すべてのシステムで個々に情報の更新対応が必要な点も注意しましょう。

結び

現場で作業を行うにも、ITシステムの利用が求められる。面倒な時代になったなぁと感じた一人親方さまが多いのではないでしょうか?一人親方さまがITシステムで利便性を享受できるのは、まだまだ先の事かもしれません。そんな中建設キャリアアップシステムは一時的に利用するシステムではなく、継続的に利用を行うことで、経験と技能が蓄積され、将来的に適正な評価を受けることが出来るITシステムとなります。子供と一緒で手間はかかるが手間をかけた分だけ愛着がわき、自身に色々なモノを返してくれると思います。日々業務で多忙を極めているとは思いますが長い目でみて根気よく利用して頂ければと思います。

またどうしても手が回らないという建設事業者さまには建設キャリアアップシステムの導入・運用サポートを専門に提供している株式会社FIRSTが女性を中心とした建設AD(アシスタントディレクター)のチームとともに建設事業者さまをきめ細かくサポートしております。建設キャリアアップシステムをはじめ、建設各種ITサービスの導入・運用、現場業務の生産性向上サポートが必要な事業者さまはお気軽にご相談ください。

本日は『一人親方でも事業者登録は必要?』についてお話させて頂きました。
最後までご一読頂きありがとうございました。

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