2026.02.03
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登録・申請のコツ
外国人の建設キャリアアップシステム登録について解説します!
日本の「人材不足」は、もはや一時的な課題ではなく、恒常的な経営課題となっています。中小零細の専門工事業者が若年層の日本人労働者を雇用する難しさを実体験で強く感じていると思います。正直、すでにあきらめている経営者の方も多いと思います。それほど厳しい人材確保の解決策として、多くの建設企業が外国人労働者の受け入れを急速に進めています。
しかし、建設業は外国人を雇うために他産業とは大きく異なることが1つあります。
では、何が大きく異なるのか?
それは外国人労働者を雇い入れる企業は、入管法の定めにより「建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入・運用が必須」ということです。
外国人材の雇用においては、【入管法(出入国管理及び難民認定法)】と建設業ならではの【建設業法】、そして【建設キャリアアップシステム】のルールが複雑に絡み合うため、正確な理解が不可欠です。そのため各法律・ルールをしっかり把握したうえで、導入・運用をして頂ければと思います。
また、建設キャリアアップシステムの導入時の登録は日本人技能者の登録であっても複雑で非常に難しいです。それが外国人技能者になると日本人技能者に増して情報・資料が必要になるため難易度が更に上がります。
本コラムでは、外国人技能者における建設キャリアアップシステム登録について解説します。曖昧な知識のまま運用を行い、現場入場を拒否されたり、最悪の場合、在留資格(ビザ)の更新に影響が出たりするリスクを回避するために、ぜひ最後までお読みください。
▼このコラムを読んでもらいたい方
・外国人材(技能実習生・特定技能・定住者など)を雇用している、または雇用予定の建設会社経営者様
・元請け企業から「外国人の建設キャリアアップシステム登録」を強く求められている現場代理人様
・外国人の登録手続きの複雑さ、必要書類の違いに混乱している総務・事務担当者様
・特定技能外国人の受け入れ計画(建設特定技能受入計画)の申請を控えている方
▼このコラムでわかる事
・建設業で外国人を雇用するのに建設キャリアアップシステムが必須な理由。
・外国人特有の必要書類(在留カード等)と入力の注意点。
・通称名使用や帰国・再入国時のデータ引き継ぎ方法。
・コンプライアンス順守だけではない、経営上の利点
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何故、外国人雇用に建設キャリアアップシステムの登録が必須なのか?
建設キャリアアップシステムは、現場で働く建設技能者の処遇改善とスキルアップを見える化するためのシステムです。しかし、外国人材に関しては、単なる「処遇改善」以上の重い意味を持っています。それは「不法就労の防止」と「適正な雇用管理」です。
国土交通省と法務省は連携し、外国人材が適切な環境で働いているかを厳しく監視しています。建設キャリアアップシステムに登録させることで、「誰が」「どの現場で」「どのような立場で」働いているかをデジタルデータとして管理ができます。つまり、外国人雇用において建設キャリアアップシステムは、「適法に就労していることの証明書」としての役割を果たしています。
また、大手ゼネコンやハウスメーカーを中心に、現場に入場する全技能者への建設キャリアアップシステムの登録を義務付ける動きが完全に定着しました。特に外国人技能者に関しては、不法就労リスクを排除するため、「キャリアアップカードがなければ現場入場不可」という現場が激増しています。
外国人雇用を行うには、受入企業は、建設業許可を取得、建設キャリアアップシステムの事業者登録、建設技能人材機構(JAC)への加入義務があります。これは経営の信頼性、不当な労働条件の防止、適正な施工と外国人材の処遇改善を確実に実行できる企業のみ受入れを認めるという姿勢がこの加入義務の根底にあります。
外国人技能者の登録手続きの注意点
外国人の建設キャリアアップシステムの登録方法は日本人の登録と比べ【外国人特有の書類】の提出が必要です。誤った資料を添付したり、誤った情報を入力してしまうと不備となり再申請をしなくてはならなくなることがあります。また、建設キャリアアップシステムの登録には完了まで1ヶ月以上かかります。不備が出てしまいビザの更新までに登録が終わらずに、外国人技能者が帰国を余儀なくされた例もあります。下記に記載する注意事項を熟読し、円滑に登録を行うことで、外国人技能者の受け入れ・ビザの更新等々に支障が生じないにようにしましょう。
①外国人入力モードに変える
建設キャリアアップシステムの技能者登録画面は、デフォルトで日本人の情報を入力する設定となっています。技能者氏名の入力部分の『外国籍の方は【はい】を選んでください』部分で【はい】にチェックを必ず入れてください。ここのチェックを入れないと外国人として申請することができず他の部分の入力が完璧でも必ず不備となります。
②技能者登録時に必要な本人確認書類
日本人が登録の場合の本人確認書類は【運転免許証やマイナンバーカード】ですが、外国人の技能者登録の場合の本人確認書類は以下となります。
・在留カードまたは特別永住者証
こちらは最重要書類です。在留期限が有効期限内であることや就労制限の有無(「就労不可」となっていないか、裏面の資格外活動許可などがチェックされます。有効期限が切れていたりすると確実に不備となりますのでよく確認しましょう。
③技能者名の入力
建設キャリアアップシステムの登録において最もトラブルになりやすいのが「氏名表記」です。誤って入力すると不備となります。また、細かいルールが決まっていますのでルールに即した入力を行う必要があります。
また、原則【在留カードのアルファベット表記通り】に入力します。フリガナの入力は、非常に重要です。社会保険資料などは英語名ではなくカタカナで名前が記載されていることが非常に多いです。入力するフリガナと資料に記載されている名前が一致するようにしましょう。
漢字氏名(中国・韓国等の場合)の場合は、在留カードに漢字表記がある場合のみ漢字登録が可能です。ない場合はアルファベットになります。また、漢字氏名しか在留カードに記載がない場合でも英語の名前の入力は必須となります。
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外国人の技能者登録時のよくあるトラブルと解決策
外国人雇用における建設キャリアアップシステム現場運用でよくあるトラブルとその対処法をまとめました。
Q1. 在留期間の更新中ですが、技能者登録はできますか??
A1.可能です。在留資格の更新申請中は、在留カードの裏面にスタンプが押されますが、有効期限自体は切れているように見える場合があります(特例期間)。建設キャリアアップシステム申請前に建設キャリアアップシステムに問合せを行い申請を行うことで登録を行うことができます。
Q2. 帰国した技能実習生が、特定技能として再来日します。IDは引き継げますか?
A2.はい、引き継げます。 技能実習生時代の技能者IDは、その人のキャリアそのものです。一度帰国して特定技能として再入国した場合、新規登録をするのではなく、以前のIDを使って情報を更新(在留資格の変更、所属事業者の変更など)するのが正解です。 これにより、実習期間中の3年間の就業履歴が無駄にならず、上位レベルのカード取得(=賃金アップの根拠)に繋がります。
Q3. 「通称名」で登録したいのですが?
A3. 可能です。ただし証明書類が必要です。 現場では「山田さん」と呼んでいるが、本名は非常に長い外国名であるケースです。 キャリアアップカードの券面に通称名を表示させることは可能です。そのためには、住民票や運転免許証など、「本名と通称名が併記されている公的書類」を添付する必要があります。これがないと、在留カード通りのアルファベット表記となります。
企業が外国人材を建設キャリアアップシステムに登録する「真のメリット」
建設キャリアアップシステムの登録は「義務だから仕方なく登録する」という消極的な姿勢ではなく、これを経営戦略として捉える視点が重要です。建設キャリアアップシステムの登録をすることで受けられるメリットを見ていきましょう。
・コンプライアンス企業としてのブランディング
不法就労助長罪は非常に重い罪です。建設キャリアアップシステムを活用し、在留資格の期限管理や就労可能状況をデジタル管理している企業は、元請けや発注者から見て「安全な企業」として信頼されます。これは、次の受注に繋がる大きな資産となります。
・事務負担の長期的削減
最初は登録の手間がかかりますが、一度登録してしまえば、現場ごとの「作業員名簿」の作成が劇的に楽になります。グリーンサイト等と連携していれば、外国人の複雑な名前や在留期限情報を毎回手書きしたり入力したりするミスから解放されます。
また、【建設技能人材機構(JAC)】は建設キャリアアップシステムを活用した外国人技能者の支援制度を行っています。事業者登録料や年間利用料のなどの経費を支援する内容となっています。
詳しくまとめたコラムを用意していますので、以下のリンクよりご確認ください!
外国人技能者と育成就労について
ここまで外国人の建設キャリアアップシステムの登録についてご説明させていただきましたが、今後建設業も関係する外国人受入れに対する変化についてご説明します。
2027年までの施行が見込まれる改正入管法により、長年続いた「技能実習制度」が廃止され、新たに【育成就労制度】がスタートします。建設業界にとって、制度の名称変更ではありません。企業は、日本人同様、外国人技能者に「選ばれる努力」が必要となっていきます。
今回の改正における最大のキーワードは、「転籍(転職)」です。
これまでの技能実習制度では、原則3年間は職場を変えることができませんでした。しかし新制度では、日本語能力などの要件を満たせば、本人の意向で他社へ移ることが可能になります。これは建設企業にとって何を意味するでしょうか。それは、「賃金が低い」「宿舎環境が劣悪」「職場の人間関係が悪い」「不当な扱いを受ける」といった職場からは、人材が容易に流出してしまうという厳しい現実です。
一方で、新制度の目的は明確に「国際貢献」から「人材の確保・育成」へと舵を切りました。原則3年間の就労を通じて、即戦力である「特定技能1号」の水準まで引き上げることがゴールとなります。日本語能力要件も厳格化されますが、裏を返せば、現場でのコミュニケーション能力が高く、長期的なキャリアを描ける人材が育つ土壌が整うということです。
今後、建設企業に求められるのは、自分の会社に定着してくれる社内環境を整備することです。給与水準の見直し、キャリアパスの提示、そして安心して働ける環境整備。「この会社で働き続けたい」と思われる会社になれるかどうかが、人手不足が加速する建設業界で生き残るための決め手となるでしょう。
まとめ
建設業界における外国人材の重要性は、今後ますます高まります。 建設キャリアアップシステムへの登録は、単なる「手続き」ではありません。それは、外国人材を「安価な労働力」としてではなく、「共に日本のインフラを支える技術者」として正式に認め、そのキャリアを保障するための基盤です。
建設キャリアアップシステムに登録し、安心して働ける環境を提供することは、外国人材の定着と成長、ひいては貴社の施工品質の向上に直結します。
今回のコラムを役立てて頂き、少しでも外国人技能者の雇用が円滑に進められるようになれば幸いです。


