2026.01.05

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登録・申請のコツ

建設キャリアアップシステムで「重複エラー」が出たときの対処法について

「よし、新しく入社した技能者の登録を済ませよう」 そう意気込んでパソコンに向かい、建設キャリアアップシステムに情報を入力して申請ボタンを押した瞬間、画面に表示されるエラーメッセージ。

 

『入力された情報は既に登録されています(重複エラー)』

 

この表示を見て、【 …? 】重複とは?

登録した覚えはないけど…?どういうこと…?と困惑した方も多いのではないでしょうか?

 

建設キャリアアップシステムは職人さんの評価や賃金に関わるシステムになるため、真正性にこだわり、1人1回しか登録が行えないよう厳格に管理をします。そのため登録申請時に過去のデータと重なると、即座にブロックを行い、登録が行えない仕組みになっています。建設業界で建設キャリアアップシステムの普及が進み、登録を行い、建設キャリアアップシステムのカードを持っていないと仕事もさせてもらえないという現場も増えてきたことで困っている職人さんも多いと思います。

そこで今回は、登録申請時の重複エラーの原因、対処法について徹底的に解説します。

 

▼このコラムを読んでもらいたい方

・建設会社の総務・事務担当者で、技能者登録の手続き中の方

・元請会社から「早急にCCUS登録を完了させろ」と急かされている方

・「重複エラー」が出て申請がストップし、何日も足止めを食らっている方

・従業員が「過去に登録したかどうかわからない」と言っていて困っている経営者

・行政書士や社労士に依頼せず、自社で何とか解決したいと考えている方

 

▼このコラムでわかる事

・なぜ「重複エラー」が起きるのか? システムの裏側の仕組み

・本人が「登録していない」と言ってもエラーが出る本当の理由

・前の会社がIDを離してくれない時の対処法

・ログインIDやパスワードが不明な場合のリカバリー方法

・今後エラーを出さないための事前チェックポイント

 

▽重複エラーが生じ先に進めず困っている方へ

現場に入るまでの時間が迫っている方。

急ぎ手続きをしなければならない方。

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重複エラーが表示される理由

重複エラーが表示されるのはなぜでしょうか?出たときの対処法を知る前に、まずは建設キャリアアップシステムのことを知る必要があります。なぜこれほどまでに重複に対して厳しいのでしょうか。建設キャリアアップシステムの技能者登録に対する考え方とエラーが出るポイントを見ていきましょう。

まず、建設キャリアアップシステムの根幹にあるのは、「技能者一人につき、生涯変わらない一つのIDを付与する」という考え方です。身近なものでいうところで言うと国から発行されている国民一人ひとりに発行されている【マイナンバー】と同じような考え方です。もし、一人の職人がA社で働いていた時のIDと、B社に転職してからのIDを別々に持っていたらどうなるでしょうか? キャリア(経験年数)が分断され、正しい評価ができなくなります。これを防ぐために、システムは氏名、生年月日、住所などの情報をもとに、厳重な重複チェックを行っています。

 

重複エラーがでるポイントは複数ありますが、建設キャリアアップシステムは主に以下の項目が既存データと一致した際にアラートを出します。

【生年月日 + 氏名(漢字・カナ)】

【生年月日 + 氏名(漢字)】

【生年月日 + 氏名(アルファベット)】

つまり、「過去に一度でも、その人の情報を入力し技能者登録したことがある」ならば、重複エラーが必ず発生するということです。

例外として、確率は低いですが世の中には同姓同名で同じ誕生日の人が存在します。この場合、建設キャリアアップシステムは別人であったとしても「同一人物」と【誤判定】してしまいます。この場合は、サポートセンターへの証明書類提出というアナログな手続きを行うことで登録することが可能です。

 

しかし、重複エラーが出てしまった人から、「自分は今まで一度も建設キャリアアップシステムに登録した覚えがない」という声を非常に多く聞きます。なぜ技能者は建設キャリアアップシステムが登録済みだと認識していないことがあるのでしょうか?技能者本人が登録を知らない理由は以下の2パターンが考えられます。

 

パターンA:前の会社が登録していた(最も多いケース)

技能者本人は「カードをもらっていない」から「登録していない」と思っていることが多いです。しかし、実際は以下の状況が考えられます。

・本人に建設キャリアアップシステムに登録することを伝えず勝手に代行登録を行った。

・前の会社が登録手続きまではしたが、登録完了前に退職してしまった。

・登録は完了したが、会社がカードを本人に渡さずに保管していた。

 

パターンB:元請会社が代行登録していた

元請会社が建設キャリアアップシステム利用現場で、建設キャリアアップシステムについての【十分な説明】をせず登録に必要資料だけを要求し、代行登録をしてしまった。現場終了後その元請との取引がなくなったが、登録情報を共有されず連絡が取れなくなってしまった。

 

パターンAの場合、登録手続きを行ったことを本人に【知らせない】ことが多く、別会社に転職した際に新規登録手続きをして重複エラーが発生してしまい、前の会社とトラブルとなることがあります。本コラムを読んでいる方は大丈夫だと思いますが、技能者の新規登録を行う際は【必ず】本人に建設キャリアアップシステムの登録手続きを行うことの同意をとり手続きを進めるようにしましょう。

 

重複エラーが出たときに絶対にやってはいけないこと

登録を急ぐあまり、重複エラーが出ても申請を続けたいと思う方が多いと思いますが、そのまま手続きを続けるとかえって手間が増え、無駄に時間がかかってしまうこととなります。

ここでは、重複エラーが出たときに絶対にしてはいけない行動を紹介します。

 

・エラーを無視してそのまま申請する(最も重要)

一番気をつけてほしいこととして、重複エラーが出た場合、決して「新規登録」を強行してはいけません。無視してそのまま申請してしまうと更に面倒な手続きをしなければならなくなりますので絶対にやめましょう。

 

・名前の漢字をわざと変えて登録する

例:名前を「渡辺」を「渡邊」にする

例:「サイトウ」を「サトウ」と入力する など

これをすると、一時的にエラーを回避して新規登録申請ができてしまうことがあります。しかし、本人確認書類(免許証など)の画像チェックの段階で記入情報と証明資料との相違が発覚し審査不備として差し戻されます。結果、時間の無駄になります。

 

・生年月日を1日ずらす

入力する生年月日をずらすことで重複エラーを回避できますが、これも審査の際に本人確認書類に記載されている生年月日との照合で確実にバレます。また、悪質な虚偽申請とみなされるリスクもあります。

 

上記のような対応を行うと、申請自体はできてしまいますが、必ず【申請不備・申請取り下げ】となります。また、このときに技能者登録料の支払ってしまっていた場合、建設キャリアアップシステムと登録料の返金について連絡を取り合わなければいけなくなります。建設キャリアアップシステムは一日何百件と問合せが来ているため、問合せのメールは送っても最短でも2,3日待たないと返信が帰ってきません。解決するまでは何度もメールでやり取りをしなければならないため完了するまで1ヶ月程度かかってしまう可能性があります。

重複エラーが出たときの解決方法

では重複エラーが出たときはどのように対応するのが正解なのでしょうか?

登録済みの技能者の情報有無によって手続方法が変わっていきます。実際に重複エラーが出てしまった場合の解決方法を見ていきましょう

 

①本人へ登録について確認する

重複エラーとなってしまった技能者本人に建設キャリアアップシステムへ登録した認識があるか、認識がある場合は技能者IDとパスワードを把握しているかの確認をしましょう。

 

・技能者IDとパスワードわかる場合

本人のIDでログインし、所属事業者をあなたの会社に変更する手続きを行います。変更手続きの方法はこの後の【②所属事業者の変更手続き】をお読みください。

 

・技能者ID・パスワードもわからない場合

この場合はものすごく手続きが大変です。

まず、建設キャリアアップシステム事務局へ登録情報の照会を行う手続きをしなければなりません。また、建設キャリアアップシステムは登録時に必ずメールアドレスを入力するのですが、メールアドレスが前の会社の担当者のものであったり、現在は使っていないメールアドレスだったりする場合は、手続きが増えますのでさらに時間がかかります。

建設キャリアアップシステムの情報照会には必要情報の共有や本人確認ができる書類の提出が必要となり、解決まで1ヶ月以上かかる可能性があります。

 

②所属事業者の変更手続き

技能者IDでログインできる状態となったら、技能者IDに紐づいている所属事業者の確認をしましょう。【所属事業者欄】に「前の会社」が記載されている場合は、新しく所属となる事業者の情報に変更する手続きを建設キャリアアップシステム上で行う必要があります。

 

新しい所属事業者への変更は下記2通りの方法で手続きすることができます。

・新たに所属する事業者の【事業者ID】から変更申請を【代行】する

・【技能者ID】にログインし、直接【変更申請】を行う

変更申請に必要な資料については、建設キャリアアップシステムから発行されている400ページを超えるマニュアルをご確認いただき資料を集め、申請手続きを行う必要があります。

変更申請を行うと新規登録申請のときと同じく、建設キャリアアップシステムの【厳しい審査】が入ります。申請内容に不備がなければ1~2週間程度で審査が完了となり所属事業者が変更されます。

 

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まとめ

本コラムでは、重複エラーについて詳しく解説しました。

まず、皆さんに覚えていただきたいのは、【建設キャリアアップシステムで重複エラーが出たときは「新規登録を諦める」こと】です。

 

重複エラーが出てしまったら以下に気をつけて正しい対応を行いましょう。

 

①慌てない

重複エラーは「過去に登録がある」という証拠。キャリアが消えていない証でもあります。

 

②ログイン情報の確保

IDとパスワードを何とかして探し出す、または再発行する。

 

③変更申請手続き

新規登録ではなく、所属事業者の変更手続きを行う。

 

重複エラーの対応は、まるで探偵のような作業が必要になることもあります。前の会社に電話をしてIDを聞き出したり、事務局にメールアドレス変更の問合せを送ったりと、根気が必要です。

しかし、これを乗り越えて正しいID運用を行うことが、技能者本人の適正な評価、ひいては建設業界全体の処遇改善につながります。

 

今回のコラムを役立てて頂き、重複エラーが出てしまったとしても皆様が円滑に手続きを進められるようになれば幸いです。

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