2025.09.16
協力会社向け
現場登録・運用のコツ
協力会社が主体となり行う建設キャリアアップシステム(CCUS)現場運用
建設キャリアアップシステム(CCUS)へ登録を行い、CCUSカードを手にしたので、バンバン使って就業履歴を貯めたいが、現場にカードリーダーの整備がなくて、ぜんぜん就業履歴が貯められず困っているという技能者さんの悲痛の声が増えています。この「悩み」、はCCUSの現場運用の仕組みに原因があるので、定石通りのCCUS現場運用方法では、「協力会社さんのみ」で解決するのは非常に厳しいのが現実です。そこで今回は、「協力会社」のみでもCCUSの就業履歴を現場でバンバン蓄積する方法についてご紹介していきます!
◇このコラムを読んでもらいたい方
・登録後CCUSカードを一度も利用したこがない協力会社の技能者
・社内の加工場・工場をお持ちの専門工事会社(協力会社)
◇このコラムでわかること
・CCUS現場運用の流れと課題
・協力会社が主体にCCUSの現場運用を行う方法
・加工場・工場作業時の就業履歴の登録方法
協力会社のCCUS現場運用を強力に支援するCCUS就業履歴登録アプリはこちら
建設キャリアアップシステムの一般的な現場運用の流れ
早速、「協力会社」のみでもCCUSの就業履歴を現場でバンバン蓄積する方法をご案内したいところなのですが、現場にカードリーダーの整備が行われない「理由」をついて知らないと、CCUSの現場運用で「トラブル」が発生の要因になるのでまずは、順を追って説明させてください。最初に知って頂きたいのがCCUSの現場運用の基本的な流れになります。

建設業振興基金|建設キャリアップシステム運用マニュアルより出典
現場運用の基本的な流れ
①【元請会社対応】建設キャリアアップシステムの現場利用判断
②【元請会社対応】現場情報の登録・現場IDの取得
③【元請会社対応】施工体制登録要請
④【一次協力会社対応】施工体制登録承認・施工体制技能者登録
⑤【一次協力会社対応】施工体制登録要請(※下位協力会社がいる場合のみ対応)
⑥【二次以下協力会社対応】施工体制登録承認・施工体制技能者登録(※下位協力会社がいる場合のみ対応)
⑦【元請会社対応】カードリーダー等就業履歴蓄積設備の準備
⑧【協力会社対応】現場入場、CCUSカードタッチ
⑨【元請会社対応】就業履歴のチェック・承認手続き
上記の現場運用の基本的な流れ見て、建設キャリアップシステム現場運用の課題について気が付いた方もいらっしゃると思います。それでは次節で現場が直面する建設キャリアアップシステム現場運用の課題についてみていきましょう。
協力会社から見た、建設キャリアアップシステム現場運用の課題
現場にカードリーダーの整備が行われない「理由」は前項のCCUSの現場運用の基本的な流れを見て気が付きましたかね?そうなんです!CCUSの現場利用可否は元請会社が判断を行っています。そのため、CCUSの利用にメリットを感じていない元請会社では、そもそもCCUSの現場運用に行わないためカードリーダー等の就業履歴登録設備の整備が行われません。ではなぜ?メリットを感じない元請会社が存在するのか?詳しく見ていきましょう。CCUSは、現在建設業界に努める就業者が持続的に安心して働くことができ、建設業界の次世代の担い手を確保するために【 技能者(建設職人)の処遇(給与・待遇)を改善 】を目的として技能者の日々の就業履歴の蓄積や技能レベル評価が行えるシステムです。そのため建設キャリアアップシステム利用時に主要なメリットを受けるのは専門工事会社である協力会社や技能者が中心になりますが、建設キャリアアップシステムの現場運用料金については元請会社が負担する料金構造になっています。そのため元請会社では自社にメリットが少なく、手間暇とコストがかかる建設キャリアップシステムの運用は、発注者から建設キャリアアップシステムの利用を強制されないと利用を行わないという元請会社が多いため、現場でCCUS環境整備が進まない原因になっています。じゃぁーなぜ?「技能者(建設職人)のためのシステム」なのに現場利用の可否を判断する権利を元請会社にゆだねているのか?ここに疑問を感じる技能者の方もいらっしゃると思いますので掘り下げを行わせて頂きます。CCUSは「客観的」に技能者がもつ経験・技能を証明するシステムです。そのため日々現場に技能者が就業した情報を他社である元請会社が確認・承認することで「客観的」証明できるとしているため、元請会社がCCUSを主体的に運用することで、「客観性」を担保しているとしています。しかし元請会社が直接雇用をしている技能者がいる場合は、自社で自社の就業履歴を確認・承認しているため「客観性」を完全に担保することは難しいのが現実です。結論、CCUSの運用は「ハード」と「ソフト」のソフト側、人としてモラルをもって運用することができれば、元請会社でなく、協力会社自身がCCUSの現場運用を行っても問題ないと解釈しています。
協力会社として主体的にCCUS現場運用を行いたい方はこちら
課題解決のための意識改革
前項でご案内した課題について、CCUSの現場運用の仕組み事態が改定されることは限りなく少ないと考えられます。また元請会社がCCUS現場運用をした際のメリットが整備されることや、発注者がCCUSの利用を要求したり、CCUSの利用が業界全体で義務化されるには非常に長い時間が必要だと思います。現場でCCUSの就業履歴をバンバン登録することができる環境は待っているだけでは実現することはありません。CCUSは「技能者(建設職人)さん」のための仕組みです。そのためCCUSの現場運用を元請会社任せにするのではなく、専門工事会社(協力会社)や技能者自身が主体性を持ちCCUS運用していくための環境整備を行っていく必要があります。
協力会社が主体となり行う建設キャリアアップシステム(CCUS)現場運用
では、具体的に元請会社でない、協力会社がCCUSを主体的に運用するにはどうすればよいのか?見ていきましょう。『建設キャリアアップシステムの一般的な現場運用の流れ』でご案内した操作を元請会社に変わり協力会社さま自身で行えばCCUSの現場運用が可能です。★元請会社対応と記載ある項目を主体となって運用を行う協力会社さんで対応する。
①【元請会社対応】建設キャリアアップシステムの現場利用判断
②【元請会社対応】現場情報の登録・現場IDの取得
③【元請会社対応】施工体制登録要請
④【一次協力会社対応】施工体制登録承認・施工体制技能者登録
⑤【一次協力会社対応】施工体制登録要請(※下位協力会社がいる場合のみ対応)
⑥【二次以下協力会社対応】施工体制登録承認・施工体制技能者登録(※下位協力会社がいる場合のみ対応)
⑦【元請会社対応】カードリーダー等就業履歴蓄積設備の準備
⑧【協力会社対応】現場入場、CCUSカードタッチ
⑨【元請会社対応】就業履歴のチェック・承認手続き
★施工体制登録・施工体制技能者登録は自社に関わる施工体制のみ整えればいいので、現場に入場している、他職種の施工体制を整える必要はありません。
例) 【自社・一次】鳶工事 > 施工体制に招待 > 【下請・二次】鳶工事※招待不要【他社・一次】型枠工
しかし、協力会社が主体となりCCUS運用を行う場合、メリットばかりではなくデメリットもあるので次項で確認しましょう。
協力会社が主体となりCCUS運用を行う場合のメリット・デメリット
強力会社が主体となりCCUS運用を行う場合、メリット・デメリットについてご案内していきます。
- メリット
▷あらゆる工事で就業履歴の登録が可能
元請会社に依存することなくCCUSの就業履歴登録をあらゆる工事で行うことが可能になります。これにより、日々就業した実績を欠くことなく記録し、技能レベル向上を速めることができます。
- デメリット
▷CCUS現場運用の手間
自社での運用になるため、現場毎に現場名や就業履歴蓄積期間等の現場情報登録を行い、現場IDを取得する必要があります。
▷CCUSカードリーダー等の就業履歴登録設備の準備
現場で就業履歴を登録するためにカードリーダー等の記録設備の整備が必要です。カードリーダーは購入・リース等の費用負担が必要です。
▷現場利用料の負担
現場で就業履歴を登録すると10円/日/人の費用負担が必要になります。※費用は現場ID発行者が負担
現場利用料の費用参考例
現場ID取得企業 | 一次協力会社
現場利用料 | 一次協力会社 3人x5日x10円=150円、二次協力会社 1人x10日x10円=100円
合計 250円が一次協力会社に請求あります。
ピックアップしている数から、デメリットの方が多いように感じますよね。しかし今後、建設キャリアアップシステムは業界共通の制度的インフラになり、公共工事で技能者の「技能レベル」は工事受注金額に大きな影響力をもたらせることから、高い技能レベルをいち早く保有することが、競争戦略で重要だと思います。そのことから技能レベルを向上させる基礎である「就業履歴を元請会社に依存することなくあらゆる工事で登録が可能」であることは、記載のデメリットをよりはるかにメリットの方が大きいと思います。
手軽にスタートできるCCUS就業履歴登録アプリ・1-Touch(ワンタッチ)
とは言え、日々の業務が多忙なのはもちろん、資材や人件費の高騰や人材採用難による人手不足もあり競争環境が激化し経営環境が厳しさを増しているなか、将来への備えとはいえCCUSの現場運用の負担まで増加するのは厳しいという協力会社も多いと思います。
そこで協力会社の方でも負担なく、手軽に利用がスタートできるCCUS就業履歴登録アプリをご紹介します。
その名は、「1-Touch(ワンタッチ)」

1-Touchは建設キャリアアップシステムの公式連携認定システムです。スマホ1台でCCUSの現場登録~就業履歴登録、報告書作成までワンストップで完結できるアプリです。カードリーダーの準備やCCUSカードの携帯も不要で、CCUSの運用が手軽に行えます。また1-Touchで登録した現場情報や就業履歴情報はCCUSへ自動連携しデータの記録・保存が可能です。
では、なぜ?1-Touch(ワンタッチ)だと手軽にCCUSの現場運用が行えるのか?も次項で解説していきたいと思います。
説明はイイ、急いでいあるのでまとまった情報を早く知りたい
という方は下記よりご確認ください。
無料でスタート可能!トライアル導入で安心
1-Touch(ワンタッチ)は導入時の初期費用の負担なく、トライアル導入が可能です。大抵の場合、ITシステムは初回導入時に高額な「アカウント発行手数料」の負担を求められます。しかし1-Touchは、まずはシステムの操作に触れていただくことで、まずはCCUSの就業履歴登録をカンタンに行えることを体験していただくことを優先しているため、一部機能を無料提供しているため心理的プレッシャーはありません。
スマホをワンタッチで就業履歴登録完了
1-Touchはスカードリーダー等の記録設備の準備不要です。技能者の方がお手持ちのマホからワンタッチでCCUSの就業履歴登録が行えます。CCUS現場運用を行う際の環境整備にかかる費用負担はありません。
登録・運用サポート
1-Touchでは業務で多忙やITの対応が苦手な協力会社や技能者の方の操作支援を行う機能と登録・運用をサポートするサービスが準備されています。これによりCCUSの現場運用を円滑に進めることができます。

おすすめする利用シーン
1-Touch(ワンタッチ)では以下のようシーンに直面する協力会社さまへ利用をおススメしています。
〇元請会社がCCUS運用を行わない現場
〇専門工事会社の加工場・工場のCCUS就業履歴の蓄積
まとめ
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、本来「技能者の処遇改善」と「建設業界の持続的な発展」を目的に設計された仕組みです。しかし、現場でのカードリーダー整備や元請会社の運用姿勢によっては、せっかく登録したCCUSカードが活用されず、就業履歴が蓄積できないという課題が残ってしまいます。こうした状況を打破するには、協力会社や技能者自身が主体性を持ってCCUSの現場運用に取り組むことが不可欠です。現場情報の入力や就業履歴登録など、CCUSの現場運用を元請会社任せにせず、協力会社が自ら動くことで、どの現場でも就業履歴を確実に残すことが可能になります。さらに、アプリ「1-Touch(ワンタッチ)」のような公式連携認定システムを活用すれば、スマホひとつで簡単に就業履歴登録ができ、技能者の負担を大幅に軽減できます。未来の競争力を高めるためには、「就業履歴をいかに継続的に蓄積するか」が大きなカギとなります。CCUSは待っていても進みません。協力会社が一歩踏み出し、主体的に現場運用を実現することこそが、技能者の未来を守り、建設業界の健全な発展につながると思います。

