2024.04.08
協力会社向け
登録・申請のコツ
建設キャリアアップシステム(CCUS)とグリーンサイトの関係を知る!
グリーンサイトホームページより出典
建設キャリアアップシステム就業履歴の蓄積をグリーンサイト利用して行う技能者さまが増加したことで建設キャリアアップシステム=グリーンサイトと誤認している方が多く見うけられるので、今回は建設キャリアアップシステムとグリーンサイトの違いと関係性に焦点をあて、情報共有を行っていきたいと思います。
建設キャリアアップシステムとグリーンサイトは同じ?
冒頭でのお伝えしましたが、よく誤認されている方も多いですが、建設キャリアアップシステムとグリーンサイトはまったく別のサービスです。誤認される理由については「グリーンサイトはCCUSの認定連携システム」にてご説明いたします。
グリーンサイトとは?
現場でいう安全書類(グリーンファイル)を、インターネット上で簡単に作成・提出・確認できる株式会社MCデータプラスという民間企業が提供しているサービスです。大手や準大手ゼネコン、関連協力会社を含め約10万社が利用をしています。
グリーンサイトホームページより出典
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
建設キャリアアップシステム・CCUS(シーシーユーエス)は技能者(建設職人)さんの賃金・待遇を改善するインターネットシステムです。官民連携施策パッケージとして一般財団法人興基金が運営をしています。建設職人さんの2人に1人(約140万人)の方が利用を行っています。今回はグリーンサイトのご説明を中心に行うためCCUSに関するご紹介はさわり程度で行わせて頂きます。
建設キャリアアップシステムホームページより出典
下請企業のグリーンサイトの登録と運用
下請企業としてグリーンサイトを利用する場合、2種類の登録・運用方法が選択可能です。1つめは自社での登録・運用になります。こちらは記載の通り自社でグリーンサイトへ申込を行い情報登録、登録後の現場運用、サービス利用料負担まですべて自社で行う方法になります。2つめは上位会社での代行企業登録・運用になります。こちらは、上位会社がグリーンサイトへ申込を行い情報登録、登録後の現場運用、サービス利用料負担まですべて上位会社が行う方法になります。一見2つめの方法を選択すると負担がないので魅力的ではありますが、・上位会社ごとに個人情報等の取り扱いに関する『覚書』を締結する必要がある。・上位会社へ常に会社と従業員の最新情報を提供する必要がある。・上位会社はいつでも従業員情報(経験、資格等)の閲覧が可能なため、引抜きリスクがあります。等の課題もあるので、よく検討した上で登録と運用方法を選択する必要があります。
グリーンサイトへの申込みの流れ
下請企業として利用を行う場合のグリーンサイトへの申込の流れを見ていきましょう。
▼自社での登録を行う場合
グリーンサイト申込専用サイトより申込を行います。申込は以下の流れで行います。
①利用規約の確認
②申込情報入力(企業情報、企業担当者、請求担当者、契約内容)
③グリーンサイト申込情報入力(退職金情報、労災保険情報、許可情報)
④グリーンサイトへ申請
⑤グリーンサイトからサービス利用申込書の受領(Pdf)
⑥サービス利用申込書の印刷、内容確認・押印(登録印)
⑦グリーンサイト提出資料の収集
法人|履歴事項全部証明書+印鑑証明書
個人事業主・一人親方|事業主の住民票+印鑑証明書
⑧サービス利用申込書等をグリーンサイトへ郵送
⑨グリーンサイト審査(審査完了後請求書の発送)
⑩初期設定料金と基本利用料の請求書受領・料金の支払い
⑪グリーンサイトにて入金確認後、ログインIDとPWをメールで発行
申込開始からID発行まで円滑にいって概ね1か月程度の期間がかかります。⑦の審査については建設キャリアアップシステムほど厳重ではありませんが、一般的な審査があり誤字脱字、資料不足等があると審査不備になり、IDの取得期間が長引きますので申請は注意して行いましょう。
▼上位会社が代行企業登録を行う場合
上位会社と協議を行い、承諾を頂いた上で、下記の流れで行います。
※登録・申請は主に上位会社が対応致します。
①上位会社がグリーンサイトへログイン
②再請負業者管理・リスト追加より代行元企業(下位事業者)情報入力
③グリーンサイトへ申請
④グリーンサイトから事業者間「覚書」の受領(Pdf)
⑤事業者間「覚書」の印刷と両社押印
⑥事業者間「覚書」をグリーンサイトへ郵送
⑦グリーンサイト審査
⑧グリーンサイトにて審査完了後、申請者へ代行企業権限付与
⑦の審査については建設キャリアアップシステムほど厳重ではありませんが、一般的な審査があり誤字脱字、資料不足等があると審査不備になり、代行権限付与の取得期間が長引きますので申請は注意して行って頂きましょう。また代行企業登録を依頼する先の企業が複数になる場合、先に代行企業登録した企業の承諾が必要になるので、代行元(下位事業者)は代行権限の付与先の事業者をしっかり管理しておく必要があります。
グリーンサイトへの一人親方の登録
原則、一人親方さまも個別で登録する事をおススメしています。一人親方の登録も一般的に考えると、自社で登録・運用または上位会社による代行企業登録・運用の2通りになるのですが、現場の状況により異なる登録を行ってしまう場合が生じます。例をあげると、ゼネコンによっては指揮命令や安全管理の観点から3次以下の事業者現場に入場認めないという独自ルール等がある場合や、上位会社が安全書類の作成等の負担軽減するためにグリーンサイト上で一人親方さんを上位会社の従業員のように登録をしてしまっている場合があります。この場合、建設キャリアアップシステムとのデータ連携時にトラブルが生じる可能性が多いので、上位会社へグリーンサイトの登録・運用を任せる際は、登録・運用方法の確認をよく行いましょう。
グリーンサイトの利用料金
グリーンサイトを下請利用する際の利用料金は初期の情報登録時に初期設定料金11,000円(税込)と、基本利用料(ID利用料)5,280円(税込)の費用負担が必要です。基本利用料(ID利用料)は1年/回、ご負担が必要になります。上位会社が代行企業登録を行う場合は、代行登録料2,640円(税込)を上位会社へ費用負担が生じます。※代行企業登録の場合は代行元(下位事業者)の企業の費用負担はありません。
電話対応のお問い合わせ
グリーンサイトではお問い合わせを行わなくも問題が生じないよう、グリーンサイトのホームページ上に、詳しい解説や質疑応答集(FAQ)、利用マニュアル等が完備されています。しかし電話でお問い合わせを行いたい方にも多くいらっしゃると思うので各種電話受付窓口も完備されています。 代表的な電話窓口情報のみ下記に記載致します。必要に応じて利用して頂ければと思います。
▼新規申込に関するお問い合わせ
建設サイト新規申込み問い合わせ窓口 0570-020-140
*受付時間:月曜~金曜 9:00~17:00(土日祝日を除く)
▼操作に関するお問い合わせ
建設サイトヘルプデスク 0570-020-540
*受付時間:月曜~金曜 9:00~17:00(土日祝日を除く)
グリーンサイトはCCUSの認定連携システム
当コラムの冒頭でもお伝えしましたが、建設キャリアアップシステム(CCUS)とグリーンサイトはまったく別のサービスです。なぜ?誤認される事が多いかというと、グリーンサイトはCCUSとデータ連携を行っており、CCUSの就業履歴をグリーンサイト上でも蓄積できることが原因だと思います。そしてCCUSが蓄積する就業履歴の2人1人(約50%)はグリーンサイト経由で就業履歴を蓄積(*1)しているため建設キャリアアップシステム=グリーンサイトという認識が多いのだと思います。
株式会社MCデータプラス(2021/11/30)プレスリリースより引用
建設キャリアアップシステムとグリーンサイトの基本情報連携
前項で、建設キャリアアップシステムとグリーンサイトがデータ連携を行っていると申し上げましたが、システム相互でデータ連携を行っているのは、あくまでCCUSへ就業履歴の蓄積を行う上で必要な情報(現場へ入場する事業者の施工体制と作業員情報(事業者・技能者名、CCUS-ID、就業履歴)のみです。システム利用開始時に登録を行う事業者と技能者(従業員)情報の連携は行っていません。そのため基本となる事業者、技能者(従業員)の情報の追加・更新はCCUS、グリーンサイト別々で行う必要があります。ここもよく誤認があり、どちらか片方を追加・更新はすればOKだと認識している方も多いのでご注意ください。
グリーンサイトと建設キャリアアップシステムの連携時の注意点
グリーンサイトを利用して建設キャリアアップシステムの就業履歴を蓄積するには、グリーンサイト上でのCCUSデータ連携の設定を行います。データ連携を行うにはCCUSのIDと本人確認番号(セキュリティコード)が必要になります。データ連携時の注意事項としては建設キャリアアップシステムとグリーンサイト上で名称や住所等の情報がシステム相互で合致していない場合、連携エラーが生じます。連携エラーが生じた場合は、建設キャリアアップシステムとグリーンサイト上の登録情報を確認し、情報の修正を行う必要があります。情報の修正を行う場合は現在の情報として正しい情報へ登録内容を追加・更新します。またデータ連携を行う際の手順も定められており、事業者のデータ連携を行った後でないと技能者(従業員)のデータ連携が行えないので、その点も注意して連携の設定を行っていきましょう。
結び
グリーンサイトと建設キャリアアップシステムでは機能や操作で類似する部分を多いので、誤認をしてしまうのは無理もない事だと思います。これからCCUSとの連携サービスの増加やIT化の促進により協力会社のみなさんは、元請事業者ごとに異なるITシステムの利用を余儀なくされていくと思います。業務のIT化により一定効率化は図られる予定ではありますが、協力会社さまから見れば負担が増加してしまうような事もあるかもしれませんので、ITシステムの登録・運用について上位会社とよく打合せを行い必要に応じて登録・利用を行って頂ければと思います。またこれからは職人さんの人口が減ることで仕事も選択の自由が広がることは間違いありません。その状況下で上位会社に依存しすぎると、単価コントロールが行われ適正な単価での受注が困難となる事も予測されるため注意が必要だと思います。何はともあれ、ITシステムを有効に利用して頂き作業効率を向上させることで賃金と待遇の改善につなげて頂ければと思います。
本日は『建設キャリアアップシステム(CCUS)とグリーンサイトの関係を知る!』についてお話させて頂きました。最後までご一読頂きありがとうございました。株式会社FIRSTは最新の情報やトピックを中心に、建設事業者さま、建設技能者さまのためのお役立ち情報を定期的にお届けしています。「建設キャリアアップシステムへのお問合わせ」や「建設キャリアアップシステムへの申請」等々建設キャリアアップシステムの導入・運用についてのお悩みや課題がある場合は、電話またはLINE、問合せフォームからご相談ください。
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