2024.03.05
元請会社向け
福島県、建設キャリアアップシステムの導入!

技能者(建設職人)の賃金・待遇、労働環境を改善する建設キャリアアップシステム(CCUS)現在、商用建築を中心に施工する大手ゼネコン、準大手ゼネコンや公共工事の大型案件で利用が進んでおり利用者は25万社越え。本日は、福島県で来年度から始める『 建設キャリアアップシステム活用工事 』について集点をあてていきたいと思います。
建設キャリアアップシステム活用工事の対象となる工事
福島県では、令和以6年4月1日から福島県土木部が発注する全ての工事及び福島県土木部が受託する建築関係工事が『 建設キャリアアップシステム活用工事 』の対象とることを表明し、『島県土木部発注工事等における建設キャリアアップシステム活用工事実施要領 』を令和6年3月1日に改訂致しました。
実施内容
建設キャリアアップシステム活用工事では具体的な実施の要求内容は求めているのかを見てみます。実施内容は以下の4つになります。
①事業者登録 |受注者(元請事業者のみ)
②技能者登録 |1名以上の技能者登録(自社または協力会社)
③現場登録 |当該現場の登録
④就業履歴情報登録 |当該現場での就業履歴情報の登録
CCUS運用レベルで言うとまだまだ試運転(初級)レベルなので、導入したての元請企業でも対応が可能です。段階的に確認する旨の記載がない事から「完成検査時」に確認する事が予測されます。そのことから報告資料の整備には多くの時間があるため焦らずにマニュアルをじっくり見ながら対応して頂けると思います。

福島県 福島県土木部発注工事等における建設キャリアアップシステム活用工事実施要領 出典
実施状況の確認と注意事項
実施の内容についての確認方法も見てきたいと思います。
①事業者登録 |登録完了メール(写し)または就業履歴一覧表
②技能者登録 |登録完了メール(写し)または就業履歴一覧表
③現場登録 |現場利用料の請求書(写し)
④就業履歴情報登録 |カードリーダー等の現場設置状況写真、就業履歴一覧表
①~④のうち①、②、④は『就業履歴一覧表』で説明がつくのであればこちらが一番早いしカンタンです。しかし1つだけでなく、2つ以上、複数での証明が必要となった場合のため以下の注意事項についても確認してみてください。
①事業者登録
こちらは本社管理のためメールの検索で発見できればイイですが、消失している場合考えられる。そのため、『事業者完了通知(圧着ハガキ)』や『CCUSログイン後の登録情報画面の共有』でもOKではないのか?確認するとイイかもしれません。
②技能者登録
こちらも登録完了メールになっているが事業者同様、消失してしまっている場合があると思うので、登録完了通知である建設キャリアアップカードので証明でOKではないのか?確認した方がイイと思います。
③現場登録
現場利用料の請求書は請求額が1万円を超えるまでは繰越が行われ発行が行われない、そのことから請求書で説明を行おうと考えると最低でも就業履歴を1,000回記録しなくてはならない。これは現実的に現段階では難しいと思うので、現場登録時に発行される現場ID等で証明させて頂くのが現実的と考えられる。
④については記載内容通りの対応で問題ないので注意ポイントはなし。
上記の注意事項は私の現場経験から申し上げているだけでとりこし苦労かもしれないので監督員に事前によく確認を行って下さい。
建設キャリアアップシステム(CCUS)活用の評価
実施内容を満たした受注者への評価は『福島県請負工事成績評定要綱』に基づくことと記載があるだけで具体的な評価基準の明記がないため。詳細がまったくわからない状態。これでは受注者(元請会社)も成績評定で評価されるのはわかるが、配点によっては、骨折り損のくたびれもうけになる可能性がある。ただでさい、受注者にも負担なのでからインセンティブをしっかり明示し、受注者が主体的に運用しよう!となる評価制度を作って頂きたいと強気思う。
CCUS現場利用料等の費用負担
システム活用費用、カードリダー購入費用、現場利用料はすべて発注者で負担してくれるとのこと。受注者としては管理・運用コストのみになるため費用に負担なく、建設キャリアアップシステム(CCUS)の運用試運転が出来ると思います。詳細については『福島県土木部発注工事等における建設キャリアアップシステム活用工事実施要領』をご確認ください。
結び
今回の福島県の取組は公共工事と建設業界の未来を創る大きな一歩だと感じています。福島県の取組が呼び水となり 『 建設キャリアアップシステム活用工事 』の導入が都道府県、市区町村で活発化し一日も早く、建設キャリアアップシステム(CCUS)が日本全国に普及することで日本の建設技能者(建設職人)の皆様が、より良い、賃金・待遇と労働環境が手にできる業界になることを期待します。
本日は『福島県、建設キャリアアップシステムの導入!』についてお話させて頂きました。最後までご一読頂きありがとうございました。株式会社FIRSTは最新の情報やトピックを中心に、建設事業者さま、建設技能者さまのためのお役立ち情報を定期的にお届けしています。「建設キャリアアップシステムへのお問合わせ」や「建設キャリアアップシステムへの申請」等々建設キャリアアップシステムの導入・運用についてのお悩みや課題がある場合は、電話またはLINE、問合せフォームからご相談ください。