2023.05.15

協力会社向け

CCUSカードちゃんと利用出来ていますか?迷子の就業履歴

ゼネコンから現場に入るにはカードが必要と言われ、建設キャリアアップシステム(以下、CCUSと表記)への登録を行い、現場でカードのタッチを行っているが就業履歴が全然蓄積されていない!登録したモノの何に資料するかわからず利用したことも無い!という声が非常に多くなってきています。

そのため今回はCCUS登録後の協力会社の運用について見ていきましょう。

建設キャリアアップシステムの現場運用

CCUSの登録者数は事業者約22万社、技能者(以下、建設職人と表記)約116万人と建設職人の3人に1人の人が登録(*1)している巨大システムです。

元請会社による現場運用は大手、準大手ゼネコンを中心に拡大傾向にあり、1か月間の総就業履歴の蓄積数値を約430万回と聞くとまぁまぁ利用されているなぁ~とイメージは持てますが、少し数字の見方を変えていきましょう。

月間就業履歴蓄積 430万÷技能者登録者数116万≒1人あたり1か月3.6回しかCCUSの利用を行っていない計算になります。より現実的な見方もしてみましょう。月間就業履歴蓄積430万÷1か月の就業日数25日≒常時利用者数17万人、常時利用率は約15%とまだまだ利用率が低い事がわかります。そのためCCUSを登録したが全然利用したことがない。1回しか利用しことがない。という職人さんが多いのも無理はありません。ですが2023年に入り公共工事を行う元請企業を評価する経審の改正や39の道府県でCCUS導入が決定し、中小元請企業でもCCUSの利用が促進されることが予測されますのでCCUS利用案件にあたった際に円滑にCCUSの運用が行えるようにして頂ければと思います。

*1 2023/04/30日現在

迷子の就業履歴

では、協力会社の現場運用は何をすればいいのか見ていきます。

現場でCCUSを利用するにはまず元請会社または上位会社からCCUS上で現場招待を行って頂く必要があります。

招待を受け取ったあと~現場入場までの間に施工体制登録と作業員(職位)登録を行います。

施工体制登録では下位協力会社に仕事を依頼する場合、CCUS上で下位協力会社へ現場招待を行う必要があります。作業員(職位)登録は現場に入場する予定のある技能者(以下、職人と表記)の登録、職人の職位(職長、班長等)を決定します。

ここまでの下準備が出来てはじめて現場でカードタッチを行ったさいに就業履歴の蓄積が適正に行われます。逆を言えばこの作業が行えていなければ現場でいくらカードをタッチしても就業履歴の蓄積は行われません。

現状利用している方で就業履歴が蓄積されないという方は、上記で説明している施工体制と作業員(職位)登録が行われていない事が原因となります。
このように、現場入場時のカードタッチはしているが就業履歴が蓄積出来ていないという迷子の就業履歴が多発しております。迷子の就業履歴を作らないために施工体制と作業員(職位)登録をしっかり行う必要があります。またこの施工体制・作業員(職位)登録は現場毎に行わなくてはなりません。PCをよく利用する方であれば、慣れてしまえば簡単な作業ではありますが、PCやITシステムの操作が苦手な方や日々業務が多忙で時間が無いという方には非常に大きな負担となります。

目先だけでとらえると面倒な負担が増えたと思うかもしれませんが、就業履歴の蓄積をしっかり行い、能力評価を受けることで将来的に経験・スキルにあった適正な賃金・待遇を受けられる業界の環境整備が行えると感じています。

結び

本日は『CCUSカードちゃんと利用出来ていますか?迷子の就業履歴』についてお話させて頂きました。
最後までご一読頂きありがとうございました。

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